2009年8月29日土曜日

"Inglourious Basterds"「イングロリアス・バスターズ」

話題のタランティーノ最新作"Inglourious Basterds"「イングロリアス・バスターズ」を観ました。

タランティーノの映画は、どんどん一筋縄ではいかなくなっていく感じです。普通なら、映画を台無しにしてしまうような、いろーんなことをやってるのに、一本筋が通ってるのが見事で、それだけでも監督としての手腕を証明していると思うけど、今回はそれだけじゃない、と何人もの批評家は絶賛しています。

タランティーノの映画って、はんぱじゃないバイオレンスがトレードマークだけど、それだけなら彼以外にも、バイオレンス描写で鳴らした監督はいます。QTが特異なのは、実はバイオレンスよりも、登場人物達がすべからく詭弁を弄して、物事を自分に有利に運ぼうとするところ。本作でもその特技が遺憾なく発揮され、暴力が勃発する前に、どいつもこいつもしゃべる、しゃべる、しゃべる、しゃべる。おかげで上映時間2時間半よ。そんななか、ヒロインの女映画館主だけは、不言実行タイプ。彼女が行動を起こすときに流れるデヴィッド・ボウイの曲がしびれます(確か「キャット・ピープル」の歌だと思う)。

ゲッペルスには、フランス語の通訳(兼愛人)が付いていて、「キル・ビル」の腕切られちゃう通訳へのセルフリファレンスだなあ、と思ったら、同じくジュリー・ドレフュスでした(^_^;)。彼女の連れてる大きなプードルがかわいいです。マイク・マイヤーズも老けメイク、なぜ彼?という役どころでゲスト出演しています。

QTがコナン・オブライエンの「トゥナイト・ショウ」に出た回を見ていたら、ドイツで撮影した時、「タランティーノ」という彼のファンが集うバーがあるのを知り、顔を出したら、店主はあわてず騒がず、「あなたのバーへようこそ!」と手を差し出したそうです。でも、店が持ってる彼のDVDが「キル・ビルVol.2」と「デス・プルーフ」だけで、しかも後者は傷が入っているために、10分ぐらいですぐ最初に戻っちゃうんですって。

本作は、「地獄のバスターズ」というB級イタリア映画を下敷きにしているらしいです。でも、なぜ原題の綴りをわざと間違えているのかは不明。

本作を貶している評で面白かったのは、「この映画はブロードウェイの観客が"Springtime for Hitler"を観る時の態度で臨むしか救いはない。あんまりひどすぎるので、いい作品だと逆に錯覚してしまうのだ」、というもの。"Springtime for Hitler"って、メル・ブルックスの「プロデューサーズ」の劇中劇です、念のため。

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