2009年10月1日木曜日

「Cloudy with A Chance of Meatball (くもりときどきミートボール) 」

3DのフルCGアニメ。予告編を見たとき、あんまりいい印象を受けなかったのですが、いや、予想を裏切って、すごい好き。なんというか、「全問正解!」という感じでした。「UP!」より好きかも。

まず、最初の一歩から、この映画とのシンクロ率200%です。コロムビア映画のロゴの、自由の女神像の上に降ってくるバナナや、"Filmed by lots of people"っていうクレジット(普通は監督の名前が出る)も気が利いてますが、それよりも、プロローグ。不器用な私は、普段いつも靴のひもがほどけてしまい、日に何度も結び直すのですが、発明家志望の少年、ブラントは、この人類共通の難問を解決する発明をします。それは、スプレー式の靴! Genius! How convenient! ……でも、ひとつだけ難点があり、それは、脱げないこと。こんな調子で、ブラントはいつも素晴らしい発明をするのに、惜しいことに、どこか一本ネジがはずれてて、みんなにバカにされています。さて、一方傷心のブラント少年を優しくなぐさめる母親は、息子に白衣をプレゼントします。目を輝かせ、「僕は立派な発明家になる!」と、裏庭の自作研究室にこもり、ますます発明に励むようになるブラント(そういえば「Tetsuo」のスタッフに、白衣が大好きな、特殊造型スタッフの青年がいたっけ)。少年のベッドルームの壁には、ロックバンドやスポーツ選手のかわりに、発明家たちのポスターが貼ってあります。テスラが憧れのヒーローの少年が主人公なんて、うーん、マニアック過ぎる。

さらに、ロケーション設定も、シンクロ率高し。地理的には、大西洋に浮かぶ小さな島という設定ですが、昔いわし漁で栄えた町が、需要がなくなったために今はすっかりさびれてしまったというところが、サンタクルーズから車で1時間ほど南下したところにある、モントレーにそっくり。モントレーは、スタインベックの「缶詰横町」の舞台になったところです。「ミートボール」に出てくる市長の考えと同じように、缶詰工場跡を観光に利用しようとし、映画と違い成功しています。今ではモントレーといえば、水族館と、ジャズフェスティバル(イーストウッドも常連)で有名です。

あと、好きなのは、映画の最初の方、ブラントが少年から青年になる過程で、エピソード的にチラッとだけ言及される、彼の発明品の数々が、(増毛スプレー意外)後で全部生きてくるところ。靴は結局脱げなかったらしく、ずっと履いてるし(^_^)。

ところで、アメリカ人て、ほんとスプレーが好きだと思う。スプレー式のチーズとか(私も愛用)、スプレー式のホットケーキミックスとか(きのう作って食べた)、スプレー式の芝生とか。

予告編で、抵抗があったのは、食べ物を粗末にあつかっているところ。空からぼとぼと、ハンバーグやスパゲティが落ちてくるなんて、もったいなさ過ぎるし、それを食べるなんて言語道断! さすが、平気で靴を履いたままベッドにあがる習慣の人たちは、やっぱり無神経だわ、わたくし耐えられません、オホホって思ってたのですが、実はまさにそこが映画のポイントで、無自覚な飽食、「もっと、もっと」と欲しがる貪欲、さらにはジャンクフードの危険性をいましめる展開になっておりました。でも、最後の方に出てくる、おっきなガミーベアくんたち(凶暴)は、ちょっとかじってみたいと思ってしまいました(^_^;)。

さらに、裏テーマみたいになってるのが、肥満問題と同じぐらいアメリカを蝕んでいる「人気者になりたい」病。いつもバカにされてきたフリントが、「ビッグになりたい」願望に取り憑かれた市長(声はブルース・キャンベル!)の「みんなの人気者になるぞ」という甘言にそそのかされ、GFや実直な父親の言葉に耳を塞いで、市長のいいなりになったために、大変な事態になってしまいます。また、NYからやって来た新米お天気キャスターのGFは、少女時代はフリントと同じようなオタクでしたが、仲間はずれにされないために、無理に自己改造した過去があります。でもフリントに会って、本来の自分を取り戻します。で、その表現が、眼鏡をかけて、ポニーテールにする、というものなのですが、声をアテているアンナ・ファリスが主演した「House Bunny」と真逆というか、同じで、それでファリスなのか、と腑に落ちました。でもまず、眼鏡にお下げ=オタク女子、メイクしてファッショナブルに装えば速、頭空っぽの軽薄なイケイケイねぇちゃんに変身、という、外見が内面を支配するという集団幻想から、そろそろ脱皮しましょうよ。

キャラ的には、フリントの父親(ジェームズ・カーン)がすごくいいです。口べたで、なんでもいわしに例えないと思いを伝えられないので、息子とうまくコミュニケーションがとれません。それに、すごい機械音痴だから、ガジェット好きの息子のことも分かってやれない。発明家になるなんて夢をいつまでも追ってないで、自分のいわしショップを手伝って、地に足をつけて欲しいと思っています。禿げ頭にぶっとい一文字眉毛という外見なのですが、眉をぐいーって上げると、目が見えます。

この映画、3Dらしいですが、近所の映画館では普通の2D上映でした。それでもしばしば、実写かしら、って思うくらい、バックグラウンドが立体的に見えたりしました。建物など、すごいスーパーリアルなマッピングというわけでもないのにね。

アメリカでは2週連続1位の快挙ですが、同時公開の日本では、なんだかランクインしていない様子。やっぱり、感覚的、文化的に違和感がぬぐえないのかしら? SNLのダン・ヘイダーが主人公の声を当てているからというわけでもないだろうけど、ギャグ的にもかなりイケてて、例えるなら3DCG版「ハングオーバー」って感じでした。


「Monsters vs Aliens モンスターvsエイリアン」
3DCGつながりで、見損ねていた「モンスターvsエイリアン」が、昨日DVD発売されたので、借りてきました。「ミートボール」には負けるけど、こちらもなかなかのマニアック度(^_^)。

スーザンのもとネタ、「Attack of the 50 Foot Woman(妖怪巨大女)」は、こないだベネチア映画祭で観た、ジョー・ダンテの5時間に及ぶ、版権無視コラージュ作品"Movie Orgy!"の中核をなしていました。不実な夫にかえりみられない、哀しい妻が宇宙人によって巨大化される、というお話しに、ビックリしながら見ていました(ベネチアくんだりまで行って何観てんだか)が、その設定を踏襲していますね。巨大化した花嫁、スーザンが地面に倒れ、顔の所に小さい夫が立ち尽くしている構図、「マクロス」とそっくりなんですが、と指摘したら、年がバレるでしょうか。

人気も車もない、空っぽのサンフランシスコの街並みなんかも見どころの一つですね。コメンタリーを聞いていたら、そこの場面はスーザンが叫びっぱなしなんですが、リーズ・ウェザースプーンに、60分間分、叫び演技をさせた録音テープがあるそうです(^_^;)。SFを選んだのは、ハリーハウゼンの巨大タコ映画「水爆と深海の怪物」のオマージュかしら。

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