2009年10月27日火曜日

「ピクサー週間inSC」その4:"The Pixar Story(「ピクサー・ストーリー~スタジオの軌跡」"

今夜は、ドキュメンタリー映画"The Pixar Story"の上映と、監督によるQ&Aがありました。会場はダウンタウンにあるデルマー映画館。サンタクルーズ市とサンタクルーズ映画祭の提供で、入場料は5ドル。

会場は満員で、ピクサーの人気ぶりがうかがえます。さきほど大学で講義をしたジョンソン氏も観に来たのですが、劇場側の段取りが悪いためにリザーブ席に座れなくて、照明のそばに座って、監督の挨拶が終わったら親切に照明を消してあげていました(^_^;)。サンタらしい…。


監督のLeslie Iwerks(レスリー・アイワークス)は、ディズニー・スタジオで、ミッキー・マウスのアニメーションや、マルチプレーンの開発にも関わったUb Iwerksの孫にあたり、祖父に関するドキュメンタリー"The Hand Behind the Mouse: The Ub Iwerks Story(ナレーターはケルシー"フレイジャー"グラマーだ!)"を観たラセターが、彼女に本作を依頼したそうです。



彼女の生い立ちを知れば、ゾエトロープから始まる、アニメーションの歴史モンタージュ(パペトゥーンの「ジョー・ヘンリー」も入っているのがうれしい)で本作が幕を開けるのも、納得です。こうやって時系列で見ると、従来のアナログ技法による柔らかなアニメーションのキャラクターと、デジタル技法で生みだされたバズ・ライトーイヤーの、ぬくもりの感じられない硬い外観は、隔世の感というよりも、まったく異質なものという印象を受けます。デジタル生まれのバズやウッディに血肉を与えているのは、外見ではなくストーリーなのだと、改めて気づかされます。

さて、ピクサーの物語となれば、それはすなわちジョン・ラセターの物語と言っても過言ではありません。もともとディズニーアニメが大好きだったラセターは、ディズニーが創設した(というのも初めて知りました)カルアーツに入学し、ナイン・オールドメンから直接アニメーションの手ほどきを受けた、純正・正統なアニメーターだったんですねぇ。在学時、2年連続で学生アカデミー賞を受賞した(この頃から電気スタンドが好きだったのね)ラセターは、あこがれのディズニースタジオに就職。ところが、「トロン」に触発されたラセターが、CGと手書きアニメを合成する手法の実験を始めた(「かいじゅうたちのいるところ」の感想で紹介したクリップが本編に出てきます)ところ、解雇されてしまいます。アニメーターたちは、CGでアニメが作られるようになったら自分たちの仕事がなくなってしまうと怖れたそうです。

その後、ラセターはエド・キャットムルに誘われてピクサー社に入社。

さて、マーク・ヘンネやマイケル・ジョンソンの講演でも出てきた、"Black Monday"の全貌が、ようやくこの映画で分かりました。ラセターを中心とするピクサーの面々が「トイ・ストーリー」の脚本を練り、ディズニーに見せに行ったところ、まったく気に入ってもらえず、あやうくピクサーが閉鎖されそうになったのだそうです。あまりにウッディが嫌なヤツ過ぎたのが敗因なのですが、それは当時のディズニーのCEO、ジェフリー・カッツェンバーグがとにかく作品を"edgy"にしろ、edgyにしろ、とプレッシャーをかけてきたため、いつのまにか、自分たちが作りたかったものとはかけはなれた出来になってしまったのだそうです。もう一度、脚本をみんなで徹底的に練り直して(ウッディがバズを窓から落としたのは故意から偶然に変えたり)出来たのが、今ある形の「トイ・ストーリー」です。


「トイ・ストーリー」に着手した頃のラセターのモノクロ写真があるのですが、後ろにニャロメのオモチャが置いてありました(^_^;)。どこで手に入れたんだか。

上映後、監督のQ&Aが予定されていたのに、監督の姿が見えません。10分ぐらいしてやっと現れた彼女がいうには、「軽く食事に行ったら、ウェイターがぐずなせいで戻りが遅くなっちゃった」のだそうです。サンタらしい…。

Q&Aで初めて知ったのですが、この作品、「ウォーリー」のDVD特典に収められているのですね。DVD持ってるのに、知らなかったわ(^_^;)。

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