2009年11月12日木曜日

"A Christmas Carol" 「DISNEY'S クリスマス・キャロル」(3D)


日本より1週間だけ早く、「クリスマス・キャロル」が公開さました。「ポーラー・エクスプレス」「ベオウルフ」で、ロバート・ゼメキス監督が開発・改良してきたパフォーマンス・キャプチャー技術による、3作目の映画です。せっかくなので、3D版の方を観てきました。

スクルージを演じるのは、ジム・キャリー。過去・現在・未来の、3つの精霊もキャリーが演じており、なかでもロウソクがモチーフの過去の精霊は、すごく面白かったです。リアルなCGアニメーションならではのおもしろさですね。今回、原作を離れた、さぞや独自のキャラクター・デザインをしたのだろうなと思って観ていたのですが、帰宅後ウィキペディアで「クリスマス・キャロル」を引いたら、マーレイの亡霊も、精霊も、スクルージの過去の雇い主夫妻も、驚くほど小説の挿絵に忠実でした。


パフォーマンス・キャプチャー方式のCGキャラクターが、前作「ベオウルフ」に比べてずいぶん自然に見えるようになってきました。スクルージのような老人キャラは、よく作り込まれている一方、女性や子どもなどはまだまだ、蝋人形レベルですが、これもいずれ、解消されていくのでしょうか。スクルージの子ども時代を、大人のキャリーが演じているため、よけい不自然なプロポーションになっちゃってるんだと思います。子役に演じさせればいいのにね。CGアニメーションの技術の程度に合わせ、オモチャなどを主人公にした映画を作り、技術が追いついた時に人間のキャラクターを持ってきたピクサーと、はじめはムチャでも、1作ごとにクオリティを上げていった実践派のゼメキスのやり方は、対照的です。

甥のフレッドを、コリン・ファースが演じているのですが、顔をかなりデフォルメしてあります。端正な、肌のなめらかな顔より、デフォルメした、シミやシワなんかもある顔の方が、リアルに見せやすそうな感じを受けました。本作の公開直前、プロモーションのためにコリン・ファースが"Jay Leno Show"に出演したとき、「映画の中の僕は君みたいだよ」と言っていましたが、ホントに、ジェイ・レノ並みにアゴが突き出ていました。演技自体は3時間程度だったそうです。余談ですが番組中、レノが80年代イギリス・ポップグループ名を当てるクイズをコリンに出して、彼に「カジャ・グーグー」とか言わせていました(^_^)。

映画は、予想以上に楽しめました。映像も豪華で、昔のロンドンのクリスマスの雰囲気にたっぷり浸れたし、脚本も演出もすごく良くて、誰が書いてるんだろうと思ったら、ゼメキス本人が書いてたんですね。スクルージの強欲ぶりを、同僚マーレイの遺体の目に置かれた硬貨(欧米にはそういう宗教上のしきたりがあるみたいです)をくすねる行動ひとつで十二分に表現してしまうところとか、クリスマスを迎える喜びにあふれた町の人々の活気と、スクルージの冷ややかさとの動と静の対比、全体的にリズミカルな演出、どれも効いてました。前2作は、いまいち方式とストーリーがちぐはぐな感じでしたが、本作ではびっくりするほど、ピッタリはまってます。原作が、この手法に出会えて、喜んでる感じ。それに、クリスマス時期のファミリー映画にしてはどうかと思うくらい結構怖いところもあって、怖がりに行った「パラノーマル」や「フォース・カインド」より、ヒヤッとしました。ちびっ子たち、いっぱい来ていましたが、きっとすごく印象に残る映画体験だったと思います。20年後とかに、「僕の映画原体験はゼメキスの『クリスマス・キャロル』です」とか答える映画作家が出てきそう。でもちびっ子たち、実写とみまごうほどのCG映像に、小さなおつむが混乱するのは分かるけど、のべつまくなしに、映画のセリフを消しちゃうほど大声で意見を発するのは、止めてね。あとずーっと、ポップコーンの特大箱をガッサガサ言わせているママ、食べるならアイスバーとか音のでないものにしようよ。……あぁいけない、博愛精神、博愛精神。

3つの精霊に翻弄されるスクルージのスピーディな冒険ぶりを楽しみながら、「ああそうだ、やっぱりこの人は、大好きだった『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の監督さんだった」と、当時の興奮がよみがえってきます。「フォレスト・ガンプ」以来なくしてたmojoを、やっと取り戻したね! そう思ってたら、しまいには、スクルージじいさん、(馬)車のお尻につかまって街を滑走、なんて「BTTF」のマーティな芸まで披露しちゃうし(^_^)。

上映後は拍手も起き、クリスマス気分を味わうには最適な一本でした。
それにしても今年は3Dのアニメーション&実写がホントに多いなぁ。

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