2009年11月11日水曜日

"The Fourth Kind"「THE 4TH KIND フォース・カインド」

青みがかったモノトーンの、寝室を描いたポスター・イメージが「パラノーマル・アクティビティ」と似通っていて、先にこちらを目にしていた私は「パラノーマル」を、すっかり本作だと思い(「あら、題名変えたのねぇ」と勘違いして)観に行ってしまいました。怖がり損ねた「パラノーマル」での教訓を生かし、公開初日の金曜の夜に行くと、狙い違わず劇場は連れだった若者たちでいっぱい。さぁ、みんなで怖がるぞ〜。


アラスカ州のノームで精神科医をしているアビゲイル・タイラー博士は、不眠症を訴える患者たちが、午前3時頃、自分をじっと見つめる白フクロウに気がついた、と一様に打ち明けるのを、不思議に思う。ある夜、患者の1人が身内に発砲した後自殺するという事件が発生。オーガスト保安官(ウィル・パットン)は、アビゲイルが犯人に施した催眠療法が、事件に関係しているのではないかと、彼女に疑いを目の向ける。ほどなく、別の患者や、アビゲイル自身にも異変が起き−−。

映画は、かつてない、ユニークな手法で構成されています。カリフォルニア州のとある大学で、本作の監督オラトゥンデ・オスンサンミが、やせ細り、目玉をギョロつかせた車椅子のタイラー本人に、数年前に起きた事件をインタビューしているのですが、彼女が語る過去の出来事は、博士自身が撮った患者とのセッションのビデオ映像と、プロの俳優によって再現された同じ状況が分割画面で併置され、その後の進行を後者が引き継ぐ、というパターンを踏襲していきます。

つまり、この出来事は実際に起きた事件で、映画は忠実に当時を再現したもの、という体裁を取っているというわけ。そのことは、映画の冒頭に主演女優のミラ・ジョヴォビッチ(ヨヴォビッチって発音してますが)が現れ、じきじきに説明してくれています(この手口、今後のパロディ映画で真似されるの必至(^_^))。


題名の「4番目の種別」というのは、UFOや宇宙人との接触度を段階分けした、4つめ、という意味で、宇宙人による誘拐を指すそうです。ちなみに「未知との遭遇」の原題が、''Close Encounters of the Third Kind''(第3種接近遭遇)。「パラノーマル」は完全に心霊現象ですが、こちらの映画はUFOネタであるところが、最大の違いでしょうか。

で、怖かったかというと……。本物(という設定)のタイラー博士のギョロ目は、確かに怖かったす(^_^;)。「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」が実写化されたら、サリーを演じられそう。タイラーの相談役(彼女自身、夫が就寝中に何者かに殺された過去があり、その時の記憶があいまいという問題を抱えていた)をしている精神科医に扮したイライアス・コティーズの目つきも、冷たく、同情心のかけらも持ち合わせていなさそうで、こんな医者には絶対にかかりたくない、と思わせるものでした。それから、アビゲイルに因縁をつける保安官役のウィル・パットンの演技を、「ブッシュ元大統領の出来損ないみたいに演じてる」と評したレビューを、鑑賞前にうっかり読んじゃったので、もうそういう風にしか見えなくてちょっと困りました(^_^;)。まぁとにかく、前日に観た"Whip It"とは真逆の、感じの悪い人たちばかりの出てくる映画ではあります(ミラ・ジョヴォは除く)。人物同士の配置と、カメラが被写体をアップで撮るショットのパーソナル・スペースの狭さは、映画に息苦しさを与えていると同時に、かなり不愉快でもあります。

上映後、トイレに入ったら、ティーンの女の子同士が、「私が誘拐されたらどうするぅ?」とかふざけあっているところへ、黒人のおばさんが、「あら、すごく良くできた映画だったわよ。私は堪能したわぁ」と割り込んで、盛り上がってました。こちらの映画館のトイレで、よく遭遇する光景です。シャイなもんで私はいつも第一種接近遭遇で終わっちゃうんですけど。

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