2009年12月3日木曜日

「サンフランシスコ国際アニメーション映画祭」その1:"Walt Disney’s Alice Comedies"

11月11日〜15日、「サンフランシスコ国際アニメーション映画祭」が開催されました。一足早く"Fantastic Mr. Fox"が上映され、押井守の"Musashi"(「宮本武蔵 -双剣に馳せる夢-」)の上映もあります。さらに、なんとアヌシーの短編特集があるじゃないですか! 知ってしまったからには、行かないわけには参りません。

"SF Intl Animation Festival"


1本目: "Walt Disney’s Alice Comedies"

これは、「蒸気船ウィリー」以前に、ディズニーが手がけたアニメーション初期作品。実写の少女、アリスが素朴な線で描かれたアニメーションの動物たちの世界に入りこむという体裁を取った短編シリーズものです。

映画祭の資料に載ってないので不正確ですが、上映されたのは多分以下の作品。

"Alice's Wonderland" (1923) Virginia Davis
"Alice Gets in Dutch" (1924) Virginia Davis
"Alice in the Jungle." (1925) Virginia Davis
"Alice's Egg Plant"(1925) Dawn O'Day 
"Alice's Mysterious Mystery"(1926)  Margie Gay
"Alice the Whaler"(1927) Los Hardwick



"Walt in Wonderland"という本も出版しているディズニーの研究家、Russell MerrittとJ.B. Kaufmanがシリーズから数本を選択し、解説してくれました。彼らは初代アリス、ヴァージニア・デイヴィスにも会ったことがあるそうで、もうおばあさんなのに、映画の中と同じように踊ってみせてくれたんですって。 "Alice's Wild West Show "(1924)という作品が、彼女のお気に入りで、それはお転婆な自分自身のキャラクターを反映しているからだとか。ちいさなカウガールに扮した彼女が、いじめっこの男の子に馬乗りになってやっつけたり、銃を構える真似をしたり、のびのび演じていました(^_^)。また、この作品あたりまでは、実際にディズニー自身も動画を描いていたそうです。

当時、ディズニーのスタジオ(Laugh-O-Gram Films)があった地域でCMに出ていたヴァージニアを一目見て、ディズニーは「アリスがいた!」と喜んだのだとか。第一作"Alice's Wonderland"では、スタジオを訪ねたアリスが、ディズニーの案内でアニメーターたちの描く動く動物たちに喜び、ついには彼らの世界に招待されて、歓迎パレードを受けます。題名から、私はてっきりルイス・キャロルのアリスだと思っていたのですが、全然関係なかったです(^_^;)。まぎらわしいぞ>ディズニー。

当時、「道化師ココ」に端を発する、アニメーションのキャラクターが実写世界に入りこむという形式の、フライシャー兄弟の"Out of the Inkwell"というマンガ映画シリーズが当たっていて、ディズニーはその反対をやりたかったのだそうです。「アリス・コメディ」にはシリーズを通し、実写のアリスの相棒として、猫のフィリックスがモデルだというアニメの猫キャラクター、ジュリアスが登場します(はっきり名前が出てくるのは"Alice's Egg Plant"から)。

ヴァージニアちゃんは、金髪(だと思う。モノクロ/サイレント映画なので推測)の縦ロールが見事で、まるで高橋真琴画伯描くところの瞳キラキラ少女や、お蝶婦人や姫川亜弓みたいです。マンガの世界だけだと思ったら、ホントにああゆうクルクル縦ロールの子がいたんですねぇ。アリスが走る場面は、走っている4つのポーズを撮影したものを、コマ撮り方式で動かしたそうです。


この短編制作中にスタジオは破産し、ロスに移って新スタジオを作り「アリス・コメディ」シリーズを続けたため、ヴァーニア一家もロスに引っ越してきたのだそうです。2,3作目あたりで、合成法を多重露出にしたら、アリスが薄すぎて不評だったので、元に戻したのだとか。

アリス役は他に3人の少女が演じており、2人目のDawn O'Dayは美少女度はヴァージニアより上でしたが、ちょっと演技がおとなしすぎたようで、"Alice's Egg Plant" (1925) 1本のみの出演。3人目は、ルイーズ・ブルックスみたいなおかっぱ頭がモダンな印象のMargie Gay。この子もよかったです。彼女主演の"Alice's Mysterious Mystery" は、KKKのような扮装をした猫のピートたちが犬たちをさらって、殺してソーセージにする、という相当アナーキーな内容でした。

この頃、ディズニーが頼りにしていたアニメーターがアブ・アイワークスだったそうです。「ピクサー・ストーリー」を監督したレスリー・アイワークスのおじいさんですね。彼女が監督したアブのドキュメンタリー"The Ub Iwerks Story"も是非見たいのですが、あいにくレンタルされていなくて…。

サンフランシスコには、ディズニー博物館が出来たそうで、来年この「アリス・コメディ」シリーズの特集上映を行うらしいです。

参考:http://www.disneyshorts.org/

☆YouTubeにアップされてました



ホームズ帽子にショートパンツのマージ−ちゃんが可愛いです。
ピートの手下のネズミがミッキーっぽい。

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