2010年3月4日木曜日

"The Oscar Nominated Short Films 2010"「2010年アカデミー賞短編部門ノミネート作特集(実写編)」

アカデミー賞ノミネート作といえど、短編映画となると、観たくてもなかなか観る機会がありません。それを、どーんとまとめて、映画館のスクリーンで観られるなんて、ナイスな企画です♡

<実写編>

"The Door"  Juanita Wilson監督/アイルランド/17分  

夜、バイクで現れた男は、一帯に敷かれた厳しい夜間パトロールをかいくぐり、とある家に入りこむと、なぜか扉をはずし、運んで帰ります。

いったいなぜ、わざわざ扉なんか盗んでいくのか? なぜ町に人気がなく、厳しい監視下に置かれているのか?

状況説明は極力抑えられ、画面からは、終始緊張感がただよいます。何かただごとでないことが起きたらしく、町民全体に避難命令が出され、男の家族も着の身着のまま、慣れない都会で生活をはじめます。しかし、まもなく愛娘の体に異変が起きはじめ…。

アイルランド映画なのに、英語じゃなくて、東欧っぽい言語なのが不思議で、ストーリーと、リアリズム的な演出から、最初、SFなのかと思いました。最近よくある、似たり寄ったりのリアリズム志向終末SFものと、雰囲気がそっくり。

最後まで、私にはわかりませんでした。これが、実際に起きたある大事件について描いた作品だったということに。まるでパニックホラーのような事態が、実際に発生していたのに、こんなに重大な事件だったのに、すっかり忘れていたなんてショック。世間的、国際社会的にはどうなんでしょう。やっぱり忘れている気がする。

ただ、作品自体は、あまりに抑えて描きすぎたため、観客との距離感を縮められないまま終わってしまっていて、ちょっと残念。このままの脚本と演出で、アートアニメにしたらよさそうな題材でした。大事件が何なのか、文章の最後に書いておくので、知りたい方は文末をあたってください。公式サイトでは全編観られます。

http://www.thedoorshortfilm.com/


"Kavi"  Gregg Helvey監督/19分/インド

両親とともに、煉瓦工場で働く少年が、ある日ポロに興じる裕福な同年代の子ども達を見て、自分も学校に行き、ポロをしてみたいと思うようになる。だが気を散らす子どもに、雇い主は容赦なく体罰を加えるのだった。

息子をとても大事にしているのに、借金があるので雇い主に逆らえない両親の辛い気持ち、遊びたい盛りの子ども。ごく一部の者をのぞき、これが当たり前と思っている社会システム。子どもの流す涙と赤い血。生乾きのレンガに印された小さな足跡。ズシンと重いテーマが心に残る、佳品です。

"Miracle Fish" Luke Doolan and Drew Bailey監督/オーストラリア/18分

いじめられっ子の少年の、学校での一日のお話。

すみません、寝ました。銃声で目が覚めた。あーん、観たかったよう。


"The New Tenants" Joachim Back and Tivi Magnusson監督/アメリカ/20分

これが一番、短編映画としては気が利いていて完成度高かったかもしれません。
あるアパートに引っ越して来た中年ゲイのカップル(つきあいが長すぎてお互いにちょっとうんざりしてる感じ)の部屋を、次々に突飛な住人達が訪問する。一人はボウルを手に、一人は銃を手に……。

訪問者の一人が、ビンセント・ドノフリオに似たやつだなーと思ったら、本人でした。彼が持ってたのはなんだったかな。

ケ・セラ・セラ的なオチですが、開き直って洒落た終わり方のように装っています。

"Instead of Abracadabra" Patrik Eklund and Mathias Fjellström監督/スウェーデン/22分 

愉快な1本です。

マジックに凝っているニートな若者と、「働け!」と説教するお父さん。箱に人を入れて切断するマジックのアシスタント役をしてあげたお母さんは、病院行きに(スプラッタではないので、すぐ直る)。近所のきれいな女性の気を引くため、父親の誕生日にかこつけてマジックショーを開く若者だったが、首尾はいかに!?

気楽に笑えて、私はこれが一番好きでした。親子がいい味出してるのです。朝の食卓へ、ショーのためのメイクをして現れた息子に、「なんだそれは。トランスヴェスタイト(女装趣味)か」って親父が言うと、母親がすかさず「メトロセクシャルっていうのよ」って突っ込んでました。(^_^)

若者は、なぜか「アブラカタブラ」の代わりに、「シメーイ!」ってとなえるのですが、観客のおっさんが、帰りながら「シメーイ!」って言ってました。(^_^)

どれもいいけど、「うーむこれは凄い!」というようなものはなかったです。この程度の短編ならば、そこらの映画祭にゴロゴロしています。アカデミー賞にノミネートされる基準って何なのかなぁ。

羊の結果予想:"The New Tenants"

アニメ編)へ続く!

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"The Door"の大事件とは: チェルノブイリ原発事故

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