2010年3月4日木曜日

The Oscar Nominated Short Films 2010「2010年アカデミー賞短編部門ノミネート作特集(アニメ編)」

<アニメ編>

★"French Roast"  Fabrice Joubert監督/フランス/8分

3DCG。
フランスのとあるカフェで、コーヒーをすする紳士。虫のたかる浮浪者がやって来て、金を無心するのを迷惑そうに追い払います。勘定を済ませようとしたところ、財布を忘れてきたことに気づいて大慌ての紳士。さてどうしよう。



紳士が背にする壁一面にとりつけられた鏡の映り込みをうまく使い、フィックスの1カットのみでストーリーの展開する、エスプリあふれる一篇。一緒に観た友人のサマーは、これが一番気に入ったみたい。デフォルメされた、個性あふれるキャラクターたちの細かいドタバタ演技(矛盾している?)が見物。慇懃無礼なギャルソンがよかったな。映像も暖色で、きれいです。無声なところも好みです。


"Granny O'Grimm's Sleeping Beauty" Nicky Phelan監督/アイルランド/6分

おばあさんが孫娘に寝物語として「眠り姫」を読んで聞かせる。孫娘は聞きたくなさそう。なぜならおばあさんが語ると、お話はなぜかとっても怖くなるのだ…。

おばあさんが語り聞かせるところは3DCG(パペットアニメとみまごう立体感がよく出ている)で、お話部分はイラストっぽい2Dアニメになります。

おばあさんがすっかりお話の中の年寄りの妖精に感情移入して、お城の者達や若く美しい妖精たちに嫉妬むきだしでののしる毒舌に、観客は受けておりました。

★"The Lady and the Reaper" Javier Recio Gracia監督/スペイン/8分

死を迎える老女をめぐり、死神とハンサムな名医(取り巻きのグラマー看護婦たち付き)が争奪戦を繰り広げる、ドタバタミュージカル的な一本。CGです。これもセリフなし。ドタバタ追いかけっこがとても古典的で、引き出しや階段使うところがおもしろかったです。あと、地獄の番犬が、3つ頭のプードルなのですが、最後に死神が激怒する理由がよくわかりませんでした。

アントニオ・バンデラスが共同プロデュースしてるそうです!

"Logorama" François Alaux&Herve de Crecy監督/フランス/16分

なんと、RレイトのCGアニメ。セリフも汚いし、バイオレンス描写もたくさん出てきます。それで、上映も最後になり、警告文の後に流していました。

町全体も、登場人物達も、すべてロゴ化された世界。エッソ、グリーン・ジャイアント、ナイキ、マイクロソフト、ロナルド・マクドナルド、ドーナッツ坊や、ミシュラン…。どれもこれもおなじみの顔たち。凶悪強盗犯のロナルドは、ドーナッツ坊やを人質に、レストランに立てこもる。カールス・ジュニアの星バッジをつけたミシュランの警官達が周囲を取り囲み、緊張の一瞬。と、町を大地震が襲い……。トリを務めるのは、宇宙を飛んでいくパイオニア。

アメリカ作品とばかり思ったら、フランスでしたか。あらためて、世界中で、無数の同じブランド(ほとんどアメリカ産?)がはびこってるのだなぁと嘆息。

公式サイト 
http://www.logorama-themovie.com/


★"A Matter of Loaf and Death"「ウォレスとグルミット/ベーカリー街の悪夢」 ニック・パーク監督/イギリス/29分

「ウォレスとグルミット」の新作。先にDVDで観ましたが、やはりスクリーンで観るのはいいですね。粘土につけられた指紋もくっきり。服もちゃんと、クレイなんだなぁ。でもどんどんアクションやセットが派手になっていくにつれ、ウォレスとグルミットのほのぼのしたバディな雰囲気がなくなり、ウォレスはただの色ボケしたKYで、グルミットのことなんかこれっぽちも気にしなくなっていくのが、悲しいです。客席からは大きな笑い声が。

以上がノミネート作なのですが、"Highly Mentioned"として、もう3作が上映されました。

★"Partly Cloudy" 「晴れ ときどき くもり」 ピーター・ソーン監督
アメリカ/6分

「カールじいさんの空飛ぶ家」に併映されていた短編CG。何度観ても愛らしいな。

★"The Kinematograph" Tomek Baginski監督/ポーランド/12分

セピア色の画面が美しいCGアニメ。今まで観た中で、一番きれいな3DCGアニメかも。

自宅の屋根裏部屋で、史上初の映写機の発明に打ち込む初老の男と、階下のキッチンで夫を支える妻の物語。
ありがちでセンチメンタルかもしれないけど、しっとりした繊細な語り口がとてもリッチ。これがノミネートされないなんて……。

トレーラー

★"Runaway" Cordell Barker監督/カナダ/9分

これ、昨年のサンフランシスコアニメーション映画祭でも観ました。舵取りのいない列車(列車の場合運転手?)に乗り合わせる、リッチマン/プアマンの面々。暴走し続ける列車の運命やいかに? 結構皮肉な風刺の、2Dアニメです。ウニみたいなワンコがかわいい。

カナダ映画庁(NFB)のサイトでダウンロードできます。
http://films.nfb.ca/runaway/

<番外>

★"Alma" Rodrigo Blaas監督/アメリカ/スペイン

今回の上映作品ではないのですが、今年度の短編アニメ作品では1番だと思っている作品です。

雪の降りしきる街を散歩するアルマ。ふと視線を感じて振り返ると、ショーウィンドウから自分そっくりな人形が覗いていた……。


なぜこの作品がノミネートに入ってないのかな。



それにしても、みごとにCGばかりですね。

羊の結果予想:"Logorama"

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