2010年4月3日土曜日

"Clash of the Titans"「タイタンの戦い」

「パーシー・ジャクソン」に続いて、またまたギリシャ神話に材を取った映画の登場です。とはいえ元をたどれば本作の方が、1981年製作の「タイタンの戦い」のリメイクなので、こちらの方が先といえば先と言えるかな。パーシーの父親はポセイドン、ペルセウスの父親はゼウスなので、二人は親戚ですね(^_^)。名前そのものも似ていますが、オリジナル版「タイタンの戦い」のアイディアを思いついたハリーハウゼンは、当時、「ペルセウス」という名前が、女々しい男を連想する「パーシー」に発音が似ているのを大いに懸念したのだとか。パーシーという名前の主人公のコミックかドラマでもやってたのでしょうかね。

そんなわけで、30年前の作品のリメイクである本作ですが、オリジナル版と比べて足りないのは、レイ・ハリーハウゼンのダイナメーションと、ペルセウスのフサフサ巻き毛でした。
ダイナメーションの代わりにCG、巻き毛の代わりに海軍風刈り上げ頭のペルセウスを持ってきたデジタル3−D世代の「タイタンの戦い」は、ゼウスが人間のミニチュア像をコレクションしていたり、重要なロケ地の雰囲気がかなりオリジナル版に忠実なところ(ひょっとして同じロケ地を使っている?)など、オリジナルへのリスペクトが感じられる点は好感が持てましたが、どんなにCGが進化してもハリーハウゼンのクリーチャーには叶わないことを赤裸々に証明する結果となり、逆説的に、ハリーハウゼンと彼のファン、ストップモーション・ファンを喜ばせてくれます。機械仕掛けのふくろうブーポを出してくれたのは、オリジナルファンへのサービスだと思うけど、あんな出し方なら出さない方がマシでしょう。監督のルイ・レテリエは、ハリーハウゼンを何度も共同プロ−デューサーとして誘ったそうですが、彼は固辞したとのことです。

オリンポスの神々は12人もいるのに、本作ではゼウスとハデス以外、セットの後方でボーッと立ってるだけというのが、かなりもったいなかったです(オリジナル版では女神達がゼウスの悪口を言ったり裏工作したりします)。全体的にリメイク版は、ペルセウスの頭に代表されるように、かなりマッチョな作りになってます。オリジナル版のペルセウスはハリー・ハムリンが演じていますが、映画会社側は、マッチョなアーノルド・シュワルツェネッガーを推し、ハリーハウゼンがそれだけは嫌、と抵抗したそうなので、なんだか先祖返りしています。私は映画の間中、ゼウスもハデスもリーアム・ニーソンが一人二役を演じているとばかり思いこんでたのですが、ハデスはレイフ・ファインズでした。なんであんなにそっくりなんだ(^_^;)。カシオペア役のポリー・ウォーカー(「魅せられて四月」)の巨乳に目が釘付けになってしまいましたが、彼女は現在放映中の「ギャラクティカ」の前章譚シリーズ「カプリカ」で重要な役を演じています。あと、「アバオウト・ア・ボーイ」「シングル・マン」のニコラス・ホルト君が、ペルセウスに協力する軍人の一人で出ていました。

予告編が、やたら面白そうに出来ていて、ゼウスのセリフ"Release the Kraken!"がキャッチーなんですが、オリジナルでもローレンス・オリビエ分するゼウスが同じセリフを言っています。かなりしぶしぶ、という感じで、ソフトな言い方でしたが。ロジャー・エバートの評が面白くて、「神々の名前を覚えるのが不得意な私はメモを用意したが、私が書いたのはただの一行、"Release the Kraken!"だけだった」ですって(^_^)。ちなみに、オリジナル版の公開当時、ハリーハウゼンはエバートの評が、一番気に入ったそうです。逆に「ヴァラエティ」紙などの悪意ある評に、すごく傷ついたと、自伝「レイ・ハリーハウゼン大全」に書いてあります(この本の翻訳に少し関わりました。「タイタン」はじめ、彼の映画の詳しいメイキングが豊富な図版と共に解説されており、お勧めです)。長年、正当に評価されなかったことも、彼が「タイタンの戦い」を最後に「筆を折った」一因となったのです。

 カートゥーン・チャンネルで流された「タイタンの戦い」の予告編CM。
切り紙アニメですごくチャーミングなのだ。

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