2010年4月20日火曜日

"Kick-Ass"「キック・アス」

これほど予告編と本編にギャップがあるのも珍しく、意図的にミスリードしてるとしか思えません。予告編では、「スパイ・キッズ」のような、他愛のない子ども向け映画のような印象を振りまいておいて、見に来た観客にガツーンと強烈な一発をかましてくれます。



監督は、「スターダスト」のマシュー・ボーン。コミックが原作だそうです。「スターダスト」で主人公の敵役の王子を演じていたマーク・ストロングが、本作でもギャングの親玉役を務めています。ブラッド・ピットがプロデューサーの一人なのは、ガイ・リッチーつながりでしょうか。マシュー・ボーンによると、ハリウッドでは映画化に首を縦に振ってくれるスタジオが見つからず、イギリス資本で作ったらしいです。ヒット・ガールの紫のウィッグとか、色使いがアメコミ風にビビッドなんですが、マシュー・ボーンはなんと、色盲なんだそうです。

地味な高校生のデイブは、スーパーヒーローもののアメコミおたく。おたくが高じ、自らスーパーヒーローになって人助けをしようと、オンラインで買ったコスチュームに身を包んで街に出る。なんの体術も特殊能力も持たないデイブはチンピラ2人組にコテンパにされ、おまけにひき逃げに遭ってしまう。それでも懲りずにスーパーヒーローたらんとするデイブは、手術で体中を金属補強されたおかげで手に入れた打たれ強さで、数人がかりのチンピラに立ち向かっていく。その様子を捉えた動画がオンラインやメディアで評判となり、一躍「キックアス」は人気者となる。そんな時、密かに思いを寄せる女の子から相談を受けたデイブは、キックアスとなってヤクの売人たちの根城に乗りこむが、飛び道具には強化ボディもかなわず、銃口を向けられ絶体絶命。その時、謎のヒーローコンビ、ヒットガールとビッグダディが現れて−−。

デイブと違い、ヒットガールとビッグダディは日頃から親子で鍛錬を積んできており、ヒットガールはナイフ、ビッグダディは銃器を武器とする本格派。出で立ちはスーパーヒーローのようですが、不特定多数の人助けが目的ではなく、ギャングのボス、ダミーコが標的。映画はキックアスとヒットガールたち、それにダミーコ一派の行動がそれぞれ併行して描かれ、三者三様に面白いです。「スターダスト」でもそうでしたが、悪役側がブラックユーモアをこめて描かれ、主役以上にオフビートな味を出してます。ビッグダディはニコラス・ケイジが扮しているのですが、普段はカーデガンを着込んだとぼけたお父さん風なのに、娘を拳銃で撃ったり(防弾チョッキを着せている)、誕生日プレゼントにナイフをあげたりして、英才教育(?)に余念がありません。こういうすっとぼけた感じのニコラス・ケイジは好きなんですけどね〜。どこをどう間違えてアクションヒーローになってしまったのか。マシュマロ入りココアのエピソードが、泣かせます。

評論家達の評価は、かなりいいです。でも、11歳の少女、ヒットガールのキャラクターのバイオレンス度(劇中56人を殺します)に眉をひそめる者もおり、イギリスでは、pedophilia(小児愛好症)映画だと非難する評論家もいたそうです。

確かに、すごくバイオレンスだし、冒頭のっけから、主人公がマスターベーションにふけるなど、教育上&モラル上、すこぶるよろしくない映画です。なので、そうやってしっかり非難してくれる人たちがいるので、私たちは安心してこのguilty preasureにひたれるのでした(^_^)。

惜しくも興行成績は、「ヒックとドラゴン」に譲って2位でした。「ヒックとドラゴン」、じわしわと1位を獲得してうれしい。よい子はこんな過激な作品はさけて、「ヒックとドラゴン」か"The Secret of Kells"を観ましょう! そういえば、「ヒックとドラゴン」では声優を務めてた深夜トークショー・ホストのクレイグ・ファーガソンが、「キックアス」でも出てきました。ファーガソンが、っていうか彼の番組が、なんですが。ポスト・コナン・オブライエンは彼ですかね〜。

予告編でやっていた"The Expendables"という映画のキャストが、すごいです。シルベスター・スタローン、ジェット・リー、ドルフ・ラングレン、ミッキー・ローク、ブルース・ウィリス、アーノルド・シュワルツェネッガー……。ロートルのアクションスター総ざらえ! まだ現職知事のシュワは、さすがにカメオ出演っぽいですが。

0 件のコメント: