2010年9月18日土曜日

"Devil"

夏も終わり、新学期が始まる9月半ば、ハロウィーンをひと月後に控えているためか、アメリカではホラー映画シーズンを迎えたようで、怖そうな(そして似たり寄ったりなプロットの)予告編で、劇場は花盛り。シーズンの口火を切るように公開されたのは、M・ナイト・シャマラン脚本・プロデュースによる"Devil"。監督は、「REC:レック/ザ・クアランティン」のジョン・エリック・ドゥードルです。

  高層ビルのエレベーターに、たまたま同乗した5人の人々。黒人の新米派遣警備員、インド系の皮肉っぽいセールスマン、リッチそうな若い女性、アフガン帰りだという元兵士の若者、それにシャーリー・マクレーン似の、気むずかしそうな初老の女性を乗せたエレベーターは、運転中に故障して緊急停止してしまう。異変に気づいたモニター室の警備員がすぐに整備士を派遣するが、なかなか異常がみつからずに直せずにいる。5人はスピーカーとモニターで、一方通行のコミュニケーションをモニター室と取りながら(相手の声は届くがエレベーター内の音声は伝わらない)、不安そうに修理を待つが、突然照明が消えて室内は真っ暗になってしまう。すぐに再び点灯するが、暗闇の中で何者かに襲われ、痛みを覚えた若い女性の背中には、噛み痕のような傷が出来ており、出血していた。4人の誰かが犯人なのだろうか、それとも、何か他の存在が……。

密室殺人のバリエーションのような、エコノミカルな本作は、警備員の一人が母親から聞いたという、悪魔の出てくるお話しのように、「ということがありましたとさ」とでもいいたげな、ちょっとした小話として観てもらいたそうな印象を受けました。というか、そういう風に受け取って、あまりストーリーの整合性とかを生真面目に気にしない方が、精神衛生上よさそうです。ショッカーであるべきはずの映画なのに、予定調和的に、「粛々と」事態が進み、びっくりするような展開も、シャマランお得意いのどんでん返しもないので、この手の映画を観るに当たっての作法である、荒唐無稽さやつじつまの合わない点には目をつむる、suspension of disbelief が出来にくい面があります。エレベーターはずっとサスペンションしたまんまなんですけど(^_^;)。

でも大丈夫、この不完全燃焼感を解消してくれそうなホラー映画なら、何本も公開を控えてますからね。

それよりも気になるのが、シャマランが、早くも過去の自作のテーマを使い回しているような気がするところ。それが作家性なのか、持ち駒がひとつしかないことの証なのか、よくわからないけれど。

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