2010年9月6日月曜日

"The Expendables"「エクスペンダブルズ」

 今年64才になるシルベスター・スタローンが、ジェイソン・ステイサム、ドルフ・ラングレン、ジェット・リーらのアクション・スターを集めて作った、オールスター・キャスト映画です。

スタローン監督・主演作なので、「ランボー」のように、単純にアクションを楽しめるかな、と思い、だんなサービスも兼ねて観にいったのですが、気楽に楽しむには、ビックリするほど残虐でした。こういう作品は、ヒーロー達が悪人達をやっつける時、カタルシスを覚えるのが醍醐味だと思うのですが、スタローンら「エクスペンダブルズ」の、無差別で手加減なしの虐殺ぶりに、カタルシスを感じるのは無理でした。彼らの行く手を塞ぐ者は、悪者チームのただの下っ端まで、問答無用でぶっ殺しまくります。なんだか、その殺しっぷり、ゲームみたいです。もう盛りを過ぎた、センスも1,2世代前の元アクション・スターたちが、ピチピチのルーキーたちが活躍するエッジィな最先端アクション映画に対抗する手段として、ゲーム的なアプローチを選んだのは、興味深いですが。とにかく残虐に、とにかく派手にドンパチやれば、観客は入るという読み、情けないことに大当たりしたようで、初登場1位を獲得しています。

アクションの物量はもの凄く、もの凄すぎて単調になり、私は画面で何かが爆発炎上しているさなか、眠気が催して半分以上寝てしまいました。いかんいかんと何度気を取り直しても、やっぱりドンパチの途中で、いつの間にかまぶたが閉じてしまいます。闘いで誰が死のうが映画の進行と何の関係もなく(後で何食わぬ顔をして生き返っていたりする)、ただ「力こそ正義」の地獄絵図が展開するのみ。アクションのカット割りも決してうまいとはいえず、ほとんどが寄りすぎで、何がどうなっているのかさっぱり分かりません。ミッキー・ロークの荒れ果てた荒野みたいな顔、そんなにどアップで長時間観ていたくないです〜!

私のお目当て、ジェット・リーも、全然いいとこなしでした。ジェット・リーがあんなに弱っちぃわけないじゃないですか! ドルフ・ラングレンなんか、一蹴りで倒してますって。

地元なので、州知事の登場シーンでは笑いが起きていました。楽しい笑い半分、苦い笑い半分という感じ。「あいつは大統領を目指してるのさ」という楽屋落ちセリフにも、失笑が…。映画公開初日には、映画館前で、現職州知事の映画出演を抗議するデモを伝えるニュースもありました。今のカリフォルニア州の財政を考えれば、のんきに映画出演しているどころじゃないだろう、という市民の心情は、いくら土日の休日を利用しての出演だったと弁解されても、仕方ないでしょうね。

悪の親玉を演じるのは、エリック・ロバーツ。一時はキャリア的にかなり落ちこんで、"Graves End"なんていう箸にも棒にもかからないインデペンデント映画に出てましたが、「ヒーローズ」などのTVシリーズのゲスト出演などで、細々と役者業を続けていたのが報われてのはれての大役、めでたいです。だって"Graves End"はサンタクルーズロケの映画ですから…(^_^)。他に、ロバーツの傀儡政権独裁者役で、「デクスター」のラテン系同僚刑事、エンジェルを演じているデビッド・ザヤスが出ていました。

本作を、"sadistic mess"と要約しているUSAトゥデイ紙の映画評が、私の気持ちを代弁しています。筋肉度500、頭脳度0。助けに来た女性が、建物のどこにいるかも分からないのに、建物を爆破しますかね、普通。「エクスペンダブル(消耗品)」なのは、スタローン達エクスペンダブルズのメンバー以外のすべての人間のことでした。

0 件のコメント: