2011年1月3日月曜日

"Black Swan"「ブラック・スワン」

「レスラー」で汗臭いムキムキ男たちの世界を描いたダーレン・アロノフスキー監督が、今度は華麗なるバレエの世界を舞台に描くサイコ・スリラー。ナタリー・ポートマンがバレリーナを演じているのも話題です。

バレリーナのニーナは、所属するNYバレエ団の次期公演作「白鳥の湖」のスワン・クイーン役に大抜擢される。元バレリーナの母親(バーバラ・ハーシー)の女手ひとつで過保護に育てられたニーナは、まだ寝室に熊の縫いぐるみを飾っているような奥手な女性で、清純なホワイト・スワンを演じるにはピッタリだが、王子を誘惑するブラック・スワンの役柄がつかめず、悩んでいた。舞台監督のトム(ヴァンサン・カッセル)は、完璧を求めるニーナに、「もっと自分を解放しろ!」とあれこれ挑発するが、娘をコントロールしたがる母親のせいで、ままならない。一方、サンフランシスコからやって来たバレリーナのリリー(ミナ・クーニス)は、ニーナとは対照的に奔放な性格で、ニーナは彼女に役を奪われるのではないかと怯え、公演が近づくとともに高まるプレッシャーから、自傷癖がぶり返して悪化していく———。

このあらすじ、まるで少女マンガの世界ですねぇ。ヒロインの性格といい、師に恋愛感情を持ってしまうところといい、バレリーナとしての成長にセックスやレズが絡んでくるところなんて、実は山岸凉子の「アラベスク」が元ネタだったと言われても驚きませんよ(^_^;)。

でも、出来はガッカリでした。予告編以上でも以下でもなかったです。どうしてこれが、批評家受けしているのか、納得いきません。ロジャー・エバートも2010年のベスト10に入れているし…。少女マンガを読んだことがない方々には新鮮に映るのかしらん。でも、客席ではそこここで失笑が起きてましたよ(爆笑している人も約1名。その人はピーター・ウィアーの新作予告編に「Must Seeだ!」って叫んでましたが。ピーター・ウィアー、超久しぶり…(T_T))。

「レスラー」とのこの違いはなんなんですかねー。でもまぁ、トンデモ映画「ファウンテン」の監督だと思えば、そんなに違和感ないか(^_^;)。

ナタリー・ポートマンの演技も絶賛されて、いくつか賞をもらったりしているようですが、確かに可憐だったし、すごく痩せて、踊りもがんばっていたけれど、見せ場であるはずの、ブラック・スワンに覚醒したときの、凄味とかもあまり感じられなくて、ちょっと物足りなかった気がします。ポートマンのせいというより、CG効果の方に、監督のリキが入ってしまったせいなんですが。

映画は、トゥシューズを履いたバレリーナ(ポートマン)の足下のアップではじまるのですが、そのシルエットが、バレリーナの足らしく見えず、出だしからかなりイタかったです。カメラがポートマンの後ろから付いていくショットを多用しているので、なんだかポートマンのひっつめ髪の後ろ頭ばかりをやたら鑑賞させられました。

ウィノナ・ライダーが、引退する花形バレリーナの役で出ています。彼女と、母親役のバーバラ・ハーシーが怖かったです。

少女マンガを引き合いに出さずとも、「赤い靴」から「小さな村の小さなダンサー」まで、バレエ映画はいくつもあるけれど、本作が一番近いのは「サスペリア」かな…。コワ。

1 件のコメント:

電気羊/e-sheep さんのコメント...

その後、踊りの80%をプロのバレーダンサーが演じ、顔のみをポスプロでポートマンに吹き替えたという事実がダンサー本人の口から語られ、メイキングも公開されました。映画のプロデューサー本人から、アカデミー賞発表前の箝口令を敷かれていたそうです。冒頭のシーンも吹き替えだったとしたら、失礼いたしましたです。