2011年4月3日日曜日

"The Illusionist"「イリュージョニスト」(本編)

2月の半ばにNichelodeonにて鑑賞。去年の夏から公開を心待ちにしていた一本です。

『ベルヴィル・ランデブー』のシルヴァン・ショメ監督による、この手描きアニメーションには、私の好きなものが2つ出てきます。ウサギと、ジャック・タチ。アニメーションだから、実写のタチが主演しているわけでも、声をアテているわけでもありませんが(故人だからね)、生前タチが遺した映画脚本を、ショメがアニメーション化したのだそうです。タチの作る映画は、全部タチが主人公だから、この作品の主人公も、当然タチがモデルなわけです。キャラクターデザインもですが、タチい振る舞いが、もうタチそのものでした(T_T)。

でも、一抹の不安もありました。きつすぎるカリカチュアが生む、ほとんどグロテスクと言っていいシュールさが魅力だった『ベルヴィル・ランデブー』のショメが、毒をユーモアで包む術を知っていたタチの世界を再現できるのかしら? ———杞憂でした。逆に、「タチ」というフィルターで漉された、ショメの、いや伝統的な手描きアニメーションの本質さえ見えるような作品となっています。それは、主な登場人物が2人で、ほとんどセリフがなく、表情すらdead panに近いために、手足の細やかな演技でストーリーと感情をつたえなければならなかったという、この映画の構造から来ています。

英語版ウェブサイトでpress kitがダウンロードできるようになっているのですが、ショメは、1960年代のディズニー作品、特に「おしゃれキャット」や「101匹わんちゃん」が代のお気に入りなのだとか。CGアニメ全盛の昨今、手描きアニメーターのスタッフを集めるのは大変だったようです。この作品でも、車などの大道具・小道具はCGで描き、手描き部分と合成しています。また、ディズニー伝来のキャラクター制(1人のアニメーターが、それぞれのキャラクターを受け持って描く)を採用しているそうです。ウエブサイトには、animatic(動く絵コンテのようなもの)の過程などもふんだんに観られるので、ぜひ英語版のウェブサイトをのぞいてみてください。

http://www.sonyclassics.com/theillusionist/

日本語版のサイトでは、ショメが語る製作秘話が、おもしろかったです。エジンバラ、私も「ウォレスとグルミット」の舞台(!)を観に行ったことがあります。素敵な街だ。ハギスと、バグパイプと、お城と、スコットランドなまりの英語が超わかんない街。でも、サイトは読んでる最中にバックグラウンドが変わったり、フォントが小さすぎたりと、デザイン優先で、読みにくかったです、フォント。Bad web designよ。

さて、うさぎですが、でぶの白うさぎで、「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」の子孫かと思うぐらい凶悪です。超かわいい! 生態はうさぎというより犬みたいだったけれど。

ところで、先日偶然、「Get to Know Your Rabbit」という1972年製作の映画の存在を知りました。なんと、タップダンサー兼手品師役を、オーソン・ウェルズが演じ、ブライアン・デ・パルマが監督(途中降ろされちゃったとか)、キャサリン・ロスも出演という豪華な取り合わせでビックリ。予告編を観ると、タップを踊りながら、ハットからうさぎさん(超かわいい!)を出したり、内容もかなりブッ飛んでそうで、是非観たいす…。

▼予告編
http://www.imdb.com/video/screenplay/vi4121493785/

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