2011年4月8日金曜日

"Sucker Punch"「エンジェル ウォーズ」

 「300 <スリーハンドレッド>」「ウォッチメン」のザック・スナイダー監督最新作です。公開前から宣伝が数多く打たれ、期待度・注目度もたいへんな高さでした。

予告編を初めて観た印象は、「わ、なんだろこれ!?」。わけが分からない/ストーリーがつかめない/一体どこから沸いて出たんだ———(コミコンで予告編がお披露目されたときの反応も、"What the hell…!?"だったらしいので、そんな印象を受けたのは私だけじゃなさそう)。セーラー服姿のコスプレ美少女が刀やマシンガンでモンスターと戦う映像は、まるで日本製のビデオゲームみたいです。映画批評サイトのRotten Tomatosは、「一年に1回以上『ビデオゲームみたい』って評したら追い出す!」って宣言してますが、でも、この予告編は、本当にビデオゲームみたいというか、ビデオゲームならばまだ納得できるけど、ハリウッド映画でこれをやられるというのが、ちょっと信じがたかったです。頭固いのかな。そのうち、監督がザック・スナイダーだと知って、ちょっと腑に落ちたけれど。「映画とはこんなもの」という枠に捕らわれない世代の監督が生み出す作品、出来はいかがでしょうか。

う、うーん、うーん…。あー。ロジックがまったくない…。辛い現実から逃避して、空想世界で冒険するお話しなんだから、ロジックはいらないとかいうと、そんなことはなくて、1960年代の少女が、サムライやらゾンビやらロボットやらを、空想するかっつーの。2000年代のオタク少年にチャネリングでもしたのかね。妄想第一段階の、施設を娼館もどきに見立てるのも、ベイビードールのキャラクター的にはどうなんでしょう。「ツイン・ピークス」のローラ・パーマ−じゃないんだからさ…。「カッコーの巣の上で」のファンだというスナイダーの言葉を額面通り受け取った私がバカでした。「少女」を主人公にしながら、世界観は男性原理そのものなんですよね、これに限らずこういう作品て。女性は一般に、男性のように、どんな問題も拳で、直接相手を叩きのめして片をつける、という発想はしないものです。お好みなら、もっと陰湿とか姑息、と言ってもらって構いませんが。ちょっと興味深いのは、女の子達にスタントの訓練をつけているとき、彼女たちは自然にお互いをいたわるのだけど、「300」の時の男達は、競争心むき出しで相手より優位に立とうとしていたよ、と監督が言っていたこと。少しは違いが分かったかしら?>監督。

などといいつつ、この作品を楽しまなかったか、嫌いなのかといえばウソになります。たとえむちゃくちゃなロジックでも、テーマは共感できるし、ピチピチの女の子達がエロい衣装を着て戦ってるのを観てるだけでも、飽きないもんね。弱い立場に立たされた女の子たちの物語を、彼女たちをexploitすることなく映像化するのに気を遣ったと監督はいいますが、それが本当だとしたら、結果的にチラリズム効果として、かえってエロい感じに仕上がってしまったような気がしないでもないです(^_^;)。主役のベイビードールを演じるのは、「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」のエミリー・ブラウニング。「レモニー」出演後も、ブラウニングは普通の学校に通うことを選んだのですが、周囲のジャリタレ仲間から、「普通の学校なんかに行ったら、二度と業界に戻れないよ」と脅されたんですって。あと、「ドニー・ダーコ」のジェナ・マローンに、久しぶりにお目にかかれたのもうれしかったです。

音楽、良かったです。エミリー・ブラウニング自身のボーカルによる、ユーリズミックスの「スウィート・ドリームズ」をBGMに、ベイビードールが連れて行かれる施設の名前が「レノックス・ハウス」(ユーリズミックスのボーカルが、アニー・レノックス、念のため)。「ホワイトラビット」がバーチャルワールドへの夢前案内人なのは、「マトリックス」の昔からのお約束ですね。

ところで、原題の"Sucker Punch"ですが、「不意打ち」みたいな意味です。FYI。

0 件のコメント: