2012年7月1日日曜日

"Ted"

マーク・ウォ−ルバーグの親友は歩いてしゃべるクマのぬいぐるみ、というコメディ。

といってもお子様向けではありません。このクマ、とんでもなく口汚くてお下品なのです。R指定映画です。

予告編で、クマの下品ぶりをたっぷり見せつけられていたので、覚悟して観にいったせいか、思ったほど不快な思いはしませんでした。というか、笑っちゃった(^_^;)。



ジョン(ウォルバーグ)は、ボストンに住む35才の独身男性。カーレンタルの店に勤め、超ゴージャスなキャリアウーマンの彼女、ローリー(ミラ・クニス)とは、4年越しのつきあいで、同棲しています。住まいにはもう1人、同居人がいます。テディベアのぬいぐるみ、テッド(セス・マクファーレン)です。テッドはジョンの、永遠の親友、thunder buddy. 子どもの時、友だちがひとりもいなかったジョンは、クリスマスプレゼントに両親からもらったでっかいクマのぬいぐるみが、本当の親友になってくれたらいいのに、と願い、その願いが叶えられたのです(このへんのナレーションはパトリック・スチュワート!)。最初はかわいらしい子どもの声だったのに、ジョンとともに年を取ったらしく、今ではすっかり中年声、性格もちょいワルどころか年期の入った最低ぶりで、水パイプの大麻はやるわ、娼婦は拾うわ、口汚いわ、もう目も当てられません。首についていた水色の蝶ネクタイも今はなく、毛並みも薄汚れています。でも胸元を押すと「アイ・ラヴ・ユー」としゃべる録音機能は失われていないのが哀愁を誘います。


ジョンは心根の優しい、草食系の男性ですが、ヒマがあればソファーにだらしなく腰かけてテッドと一緒に80年代のB級SF『フラッシュ・ゴードン』をボーッと観て過ごし、一人前の男性に求められる責任ある行動ができません。ローリーはジョンにとってテッド(ちなみにteddy bearの"ted"が名前の由来)がどんなに大切かよくわかっているので、大目に見ていましたが、ある晩帰宅すると、テッドが4人の娼婦を家に呼び入れて大麻を吸っており、さらに、事もあろうに床にうん○がこんもり落ちているのを目にして、堪忍袋の緒がぶち切れてしまいます。その落とし物を嫌々処理しながら(ジョンは「ワー、やだやだ!」といって柱の陰にかくれちゃいます。役立たずですね)、とうとうテッドに家を出て行くように伝えろ、とジョンに宣告します。翌日、水族館にテッドを誘ったジョン(水槽の中が見えるように出っ張りによじ登る姿がかわいらしく、グロテスクな魚をこき下ろす態度が憎たらしいです)は、「家を出てってくれ」と申し訳なさそうに伝えます。ボロアパートに荷物を運びこむのを手伝い、「じゃあな」と言って去って行くジョンの後ろ姿を見送るテッドがこれまた愛らしく……。


こんな感じで、一見かわいいクマのぬいぐるみが口汚いことを言ったり下品な振る舞いをするギャップを笑うのが、この映画のミソなのですが、この映画のクリエイターで、テッドの声をあてているセス・マクファーレンの出世作であるTVアニメシリーズ「ファミリー・ガイ」が、このパターンで、父親はマヌケ、幼児と飼い犬は天才、という設定です。「ファミリー・ガイ」は、大学生などの若者に大人気らしくて、カレッジに通い出した頃の英語のクラスで、講師がこのアニメと"Daily Show"を見せてクラス中で大笑いする中、何がおかしいのかさっぱり分からずにポカンとしていた思い出がありますが、閑話休題。


劇場の手作りPOP
そんな「ファミリー・ガイ」ファンが観に来るのか、公開初日の夕方の回は、予想以上に人が入っていました。『メリダ』はあんなにガラガラだったのになぁ。土地柄かなぁ。レビューでの評価は、中の下といったところ。ひとりロジャー・エバートが「今年一番おもしろいコメディ!」と書いてました。「バラエティ」か何かの評で、テッドのデザインが"ugly(醜い)"と書いてあって、ちょっとショック。私はすごくかわいいと思って、鑑賞中ずっと、スクリーンの中に入って抱っこしたい、と、劇中のクマぬいストーカー(ジョヴァンニ・リビシ)みたいな衝動にかられていたのに……。わたしは白目のない、黒いたどん目というか、テンテン目のキャラが好きなのですが、シンプルなデザインは表情をつけにくく、その点も、マイナス評価されています。アメリカのアニメーションを見て分かるとおり、大げさな表情をつけるのこちらのデフォルトなので……。


カレッジのアニメ講座で、ゲストに呼んだアニメーターの一人が、テッドのCGを引き受けているスタジオの人で、その時に「これはまだ公にしちゃいけないんだけど……」(今年はじめの頃です)と言って、一枚だけ、テッドのスチール写真を見せてくれて、それ以来まだかな、まだかな、と公開されるのを待っていたのです。


途中で、『フラッシュ・ゴードン』でゴードン役を演じた俳優(わお)と、ノラ・ジョーンズ(『マイ・ブルーベリー・ナイツ』良かったですね)が出て来ます、本人役で。

0 件のコメント: