2013年2月4日月曜日

"Warm Bodies"『ウォーム・ボディーズ』

2013年、映画館で鑑賞した映画の一本目は、ゾンビものにラブコメディ要素を合わせた『ウォーム・ボディーズ』です。『50/50 フィフティ・フィフティ』のジョナサン・レヴィ監督、ニコラス・ホルト、テリーサ・パーマー主演。ジョン・マルコヴィッチも出ています。

なにごとも、第1印象は大事ですよね。映画の第1印象を受けるのはだいたい予告編からだと思いますが、この映画の場合、予告編から受けた印象と情報が、本編をほぼカバーしているので、予告編を見て「マイタイプだわ!」と思った人、アイディが面白いなと思った人は、観たら楽しめると思います。つまり、それ以上のヒネリはないので、そのつもりで。



主人公は、ゾンビの青年(ニコラス・ホルト)。空港をホームグラウンドとしており、他のゾンビたちと混ざって港内をゾロゾロ徘徊する日々を送っています。何せ、映画が始まるとともに本人がナレーションでそう説明してくれるので、間違いありません。そういえば、自意識のあるゾンビというものに、初めてお目にかかりましたよ。自意識はあるんだけど、ゾンビになる前の記憶はないみたいです。どうしてみんながゾンビになっちゃったのかも、彼には判りません。実際にしゃべりはしないので、他のゾンビとコミュニケーションしたりはせず、他のゾンビが彼同様自意識を持っているのかどうか、観客には判断つきません。1人だけ、主人公が「親友」とみなすおっさんゾンビとは、「あ〜」「う〜」と、なんとなく会話らしきものを交わすことはあります。

ある日、おなかが減ったので、主人公が数名のゾンビとともに人肉を求めて出かけ(「俺たち、トロすぎ!」と独白しながら)ると、やはり薬を求めて遠征してきた人間の若者たちのグループを、首尾良く嗅ぎつけます。ゾンビはすごく鼻が効いて、人間を嗅ぎつけられるのです。手当たり次第に人間に襲いかかるゾンビたち。主人公も1人の若者を襲って、クールな腕時計を奪うと、脳ミソにかぶりつきます(ゾンビが人間の脳ミソが大好物なのには、この映画独特の、とある理由があります)。ところが、ふと、1人の少女を目にした途端、彼の中で、食欲以外の何かの感情が沸きあがり——。

コンセプト的には、数年前の『ようこそゾンビランドへ』に似てるけど、あの作品ほどのエッジはなく、ほんわかと、ウォームというか、生ぬるい感覚が、全編を一貫して覆っています。それを、とても好ましく感じるか、物足りなく感じるかが、評価の分かれ目じゃないでしょうか。ちょうど、超・超バイオレントなゾンビTVシリーズ『ウォーキング・デッド』が中休み中で、続きが観たくてハングリーなゾンビ状態の者たちの飢えを、やんわりと満たしてくれる、癒やし系ゾンビ映画でした。(^_^) 「○と○との○○○○を忘れた今の私たち、もうとっくにゾンビなんじゃないの?」というテーマも気持ちよくストレートです。

原作があるようです。「ウォーム・ボディーズ ゾンビRの物語」の題で、翻訳も出てます。女の子の名前が「Julie」で、ジュリーがつけた主人公の名前が「(ロミオの)R」。ご丁寧にバルコニーの逢瀬場面もあるよ。

第1印象と言えば、ニコラス・ホルト。今や"heartthrob(女子が胸ときめかせる男子)"と形容される彼ですが、私にとってはいつまでも『アバウト・ア・ボーイ』の男の子です(^_^;)。おばさんだなぁ。ジュリー役のテリーサ・パーマーは、クリスチャン・スチュワートに面差しが似ています。ああいう、甘さのない、じと目のツンデレ・クール・ビューティーが今どきの顔なのかしら。

でも、いちばん面白くて光ってたのが、おっさんゾンビ役のロブ・コードリー。これからもっといろいろな映画に起用されるといいな。蛇足だけど、カット割りのせいで、ときどきスクリーン・ディレクションが混乱してるところがあります。

今年の映画の第1印象が本作だとすれば、2013年はlukuwarm(なまぬるい)な映画体験の年となるでしょう。



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