2013年5月29日水曜日

“FAST & FURIOUS 6”『ワイルド・スピード EURO MISSION』

大人気で息の長いカー・アクションシリーズ、『ワイルド・スピード』の最新作を見てきました。このシリーズを見るのは初めてで、見に行く前にTVでやっていた2作目『X2』を見て予習しました。

この作品は、犯罪者がヒーロー役のピカレスク・ロマンで、そのため警察が主人公側を邪魔するいじめっこの役回りを追っているようです。本当の悪役は、毎回ほかに用意されており、主人公のカーキチ仲間(いいもん)VS車より金の好きな犯罪者(わるいもん)VS両方を闘わせて漁夫の利を得ようとする警察(まぬけ)という三角関係の構図なわけですね。


2作目と6作目を立て続けにみると、ひとつ際だった違いがあり、それは「肉弾戦」の採用でした。キャストにドウェイン・ジョンソンが加わった、前作あたりからの傾向ですかね? ヴィン・ディーゼルとドウェイン・ジョンソンの、いずれおとらぬムキムキ強面さんに文字通り肩を並べて相手されては、わるいもん(ルーク・エヴァンス)にちょっと勝ち目はないでしょう。両雄を並び立たせるために、ディーゼルはカーキチ仲間、ジョンソンは警察、と違う立場に立たせる配慮をしています。カーアクションだけだけと、いくら素晴らしいものでも6作も続けるのは少しマンネリ化してくるので、シリーズに新風をふきこみために採用したわけですね。6作目ではもうひとり、MMAの達人ジーナ・カラーノが加わって、この人のアクションが、ど派手カーアクションとマッチョ肉弾戦で過剰にあふれだした男性ホルモンを、華麗かつ必殺の技で、要所要所でうまく引き締めてくれていました。対戦相手は主にミシェル・ロドリゲスで、こんな女性達の格闘を「キャット・ファイト」なんて形容したら、失礼ですよねっ。ジョジョ第二部でいったら、お師匠のリサリサ(だっけ?)クラス。クールな男優、美しい女優が目白押しのキャスティングでしたが、ジーナ・カラーノが一番よかったな。コメディ・リリーフのタイリース・ギブソン(ローマン)がいじきたない理由は、2作目を見ていたのでバッチリです。デヴォン青木のスーキーは2作目だけの出演なのかしら。丸顔がチャーミングでデコレーションデザインが得意なスーキー、また出たらいいのに。

あと、ミッション説明部分を、すばやいカット割りと息継ぎをいれない早口セリフで短時間で一気に流す省エネ演出は、2作に共通していました。まあ、2作に限らずこの手のアクション/SF大作ではお約束ですけどね。観客はアクションがお目当てなので、長々と説明したら観客が飽きちゃう、という配慮なのか、それとも眉唾な理屈に疑問の余地を差しはさませないための高度なテクニックなのかは、意見の分かれるところで。

本作で一番楽しみにしていたのは、今作のためにデザインされた「フリップ・カー」(対向車を救い投げてしまう金属むき出しのやつ)の活躍だったんですが、最初と最後にちょっと出たきりで、あんまり活躍しないでちょっとガッカリ。フィーチャーしすぎると強すぎてやばいことになるからかな。でも、3,4回出てくるカーチェイスシーンはどれも凄すぎて大爆笑が起きるほどのスケールでした。このシリーズがファンに愛されてきた理由、納得です。


根本的によくわからないのは、車をこよなく愛するひとたちが、車をこよなく愛するひとたちのために作った映画だろうに、愛情の対象である車をボンボン壊して平気なところ。男の愛とは対象を破壊することなのか。なんちゃってね。

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