2013年7月16日火曜日

"Pacific Rim"『パシフィック・リム』

燃えます、萌えます。デル・トロ監督の『パシフィック・リム』。

ただ、どうしても、アメリカ人の俳優の方々が「Kaiju」って言う度に、緊張が解けてガクッとなってしまいましたが。(^_^;) なぜ日本語の名称がついたのかについては、何の合理的説明も作品中では出て来ません。最初に出現したのが日本というならまだしも、最初に襲われたのはサンフランシスコ(あら、ご近所)ですからね。問答無用ですね。まぁ、英語のmonsterだと、「巨大なクリーチャー」というイメージが出ないので、(一般の英語圏の人には)耳なれぬ響きの「Kaiju」って呼んだ方がしっくりくるのかもしれないですね。



鑑賞後、日本版の予告編も見てみましたが、字幕では「Kaiju」を「奴」とか「敵」とか「巨大生命体」と書いているようですね。そして、菊地凛子を極力廃しているように見受けられました。日本の映画配給会社は、この映画からなるべく日本臭を排除したいのでしょうか。その方が集客できるとの考えなのかしら? 日本版では、ちゃんと、おかしかった日本語のスーパー(ニュース報道のところ)が修正されているのが、さすがです。(最新版と古い予告編を見くらべると修正されてるのが分かります)

菊地凛子、意外にも、準主役級の扱いでした。どんな描写がされてるのかしら、とちょっとハラハラしましたが、雨の中、黒い大きなこうもり傘を差し、黒いレインコートを着たマコが、主人公と初対面するシーンで、日本語で「なんかイメージと違う……」とつぶやいたところ、それまでのハードなシーンの緊張が途切れ、「プッ」って吹き出しちゃいました。日本語が分からないとおかしくないですが、でも『ブラザーズ・ブルーム』で証明してるように、コメディも行ける口だと思います。何を心配していたかというと、ありがちな、「3歩下がって男の後ろからついて歩く」みたいな、変にヤマトナデシコを強調したような日本女性像だったら嫌だな、と思ったのです。少しそれっぽくなりそうなところもあったけれど、要所要所で、マコが「それはhumbleの問題じゃなくて、respectの問題です」と言ったり、戦闘中に「まだ手段は残されてる!(by日本語)」と奥の手を出したりと、要所要所でビシッとしめてくれてました。この映画では、不思議とみんながカタコトの日本語を解するみたいでした、閑話休題。ロジャー・エバート一派の若手評論家たちが、この映画の感想をかたりあっているクリップがあるのですが、凜子びいきの1人が、「本作では凛子を泣き虫にしすぎだ!」って怒ってました。

いやでも、特筆すべきは、マコの子ども時代を演じた女の子(芦田愛菜)!! もう、胸が締めつけられちゃいました。もし、ガジガジのアジア蔑視の人が観たとしても、「ああもう、胸キュンキュン! 今すぐおじさんが/おばさんが/おにいさんが/おねえさんが助けに行ってあげたい!!」という、激しい衝動にかられるだろうこと、シンクロ率300パーセントでした。「何だその展開は、『赤い靴履いてた女の子異人さんに連れられて行っちゃった』なのかよ!」というベタな脚本も、喜んで許してしまいますとも。デルトロ監督作品に出てくる女性や女の子って、みんないい感じでした、そういえば。

で、その若手評論家たちによると、3D版は画面が暗すぎて、せっかくの白眉のカイジュウバトルシーンがよく見えないから、絶対IMAXにしろ、と言っていたので、IMAXはサンタにないので2D版を観ました。バトルシーン、万感の思いを抱くと思います、日本のオタクならば。若者ならば、やはり「エヴァンゲリオン」あたりを真っ先に彷彿するのでしょうか。私は、カイジュウの造型が、怪獣というより「デビルマン」の悪魔たちみたい(マンガ原作の方の)、と思いました。主人公の操る巨大ロボットが、肘からブースターを出してカイジュウをパンチするカットでは、思わず「ロケットパンチ!」ってささやいてしまいました(日本人なので大声で叫んだりせず奥ゆかしくささやきます)が、同じ作者ですね、後から考えると。

それから、なぜ巨大ロボットが「イェーガー」なのか、是非一度スタッフに聞いてみたいものですが、やっぱり圧倒的な外敵に対しては、とりあえず壁を築くようです、人類。本作ではアラスカに築いていました。雨の降りしきる香港は、2019年のロサンゼルスそっくりでした。ブルドックはアンドロイドの夢を見るか。

クレジットの歌がよくて、最後まで座っていたのは初めてですが、最後におまけシーンがあり、さらにどんじりまでしつこく座っていると、「この映画を偉大なモンスターメーカー、レイ・ハリーハウゼンとホンダイシローに捧げる」というテロップが出ます。これは、ちゃんと残って、是非観ましょう。調査兵団みたいに敬礼しちゃってもいいかもしれません。(難癖をつけると、ハリーハウゼンは自分の創造物を「モンスター」と呼ばれるのを嫌い、また着ぐるみ特撮ものに対しては軽蔑の念を抱いていたはずですが)

興行成績は、初登場3位。えええ〜、評価だって高いのに、なぜなの? ミニヨン大好きだけど、悲しいわ。今度はIMAX版を観たいです。

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エンディングシーンについて、デルトロ監督がコメントしています。

Pacific Rim won't be getting a director's cut

現行のエンディングでよかったです! 



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