2013年7月23日火曜日

"The Conjuring" 『死霊館』

湖畔の農場に引っ越してきた一家が遭遇する、恐怖の体験を描いたホラー映画です。

とにかく、掛け値なしに怖い! と、太鼓判を押すレビューがたくさんです。

監督は『ソウ』のジェームズ・ワン。低予算ながら初登場第一位を射止めました。もう、この監督のハリウッドでの地位は安泰でしょう。



1970年代に起きた実話がもとになっています。実在の超常現象研究家、エド&ローレン・ウォーレン夫妻が調査した一件で、まだ存命のローレンが、本作のコンサルタントをつとめているとのことです。映画『悪魔の棲む家』のもとになった事件も、この夫妻が関わっていたそうです。彼らのウェブサイトはこちら

映画は、気味の悪いアンディークドールの超クローズアップで始まる。持ち主の2人の若い看護婦が、人形にまつわる気味の悪い超常現象を説明し、助けを求める。相手は、超常現象研究家のエド&ローレン・ウォーレン夫妻(パトリック・ウィルソン、ヴェラ・ファーミガ)だ。少女の霊に見こまれた、と思いこむ二人に、「少女の霊なんかじゃない、それは悪魔の仕業なの」と、謎めいたアドバイスをした夫妻は、その人形を引き取ると、自分たちの「超常現象博物館」に持ち帰り、鍵付きのガラスケースに入れて収める。

ロードアイランド。5人の娘がいるパロン夫妻が、一軒家に越してくる。森の中の小さな湖に面した農場は、古びているけれど、2階建ての大きな家だ(家の前に止まった車から出てくる一家を、窓ごしに捉えたカメラがゆっくり、ゆっくりとズームインしていくショットが雰囲気を盛り上げる)。なぜか、飼い犬はどうしても家の中に入ろうとしない。まだ荷物の片づけも終わっていないなか、子どもたちが家の中でかくれんぼをして遊んでいると、偶然、板で隠されていた地下室を見つける。父親(ロン・リヴィングストン。アメリカでは『リストラ・マン』がカルト人気)がマッチを擦って降りていくと、古いピアノや家具などが雑然と安置されていた。前の住人の持ち物だろうか。

家の中はいつも寒く、家族の中には肉の腐ったようなにおいがする、と訴える者もいる。ある日、娘の一人が、庭で飼い犬が死んでいるのを発見する。母親(リリ・テイラー。『ホーンティング』という別の『呪われた家』映画にも出ていた、小柄な女優)は、毎朝起きると、原因不明のあざが体のあちこちにできている。そして、父親が仕事で家を空けた夜、家に残った家族は怖ろしい現象に見舞われる。ウォーレン夫妻のレクチャーを大学で聴講した母親は、夫妻に助けを求めるのだった———。

パロン一家が遊ぶかくれんぼが、まず怖いです。鬼は目隠しをして、隠れた者は手を叩いて位置を知らせる、"Hide and clapping。" 手を叩く音を頼りに向かっていくと……!?

「家に悪魔または怨念が憑く」というパターンは、アメリカでは不動の人気があるといえそうです。1,2年前、ジェシカ・ラングを迎えて鳴り物入りで始まったFOX局の『アメリカン・ホラー・ストーリー』も、やはりそのパターンでした(メイドさんが超エロくてよかったです)。猟奇事件を知りながら主人公一家に売りつけた不動産屋さんが絡んでくるところが現代的でした。地元では有名で、観光バスツアーにまで組みこまれているという……(^_^;)

日曜の昼下がり、サンタクルーズの映画館にしては入っているな、とは思いましたが、まさがぶっちぎりの全米一位とは! 年配が中心のお客さん、怖がってるようでした。前に座った老カップルは、後半から男性が女性に、小さな声でずっと歌をささやいていましたが、女性が怖がったのかしら?

なにしろアメリカでは、地球温暖化を信じる人より、超常現象を信じる人の方が多いんですって。

雰囲気作りに成功した映画は、画面に映るものがなんでも怖く感じるけれど、ヴェラ・ファーミガの服のヒラヒラの襟が怖かったです。あと、びっくり箱の鏡を使ったショット、スタイリッシュでよかったです。

血がドバドバ流れたり、首がちょん切られたり串刺しになったりと、ショッキングな描写がないにも関わらず、幼い子どもには怖すぎると、R指定になったのだとか。実際、どの評もその点を評価し、出色の怖さだと書いています。ほかにも色々、怖さを演出するための細かい工夫がしてあるようで、通の人がみればそれが分かるのでしょう。私に分かったのは、古い家の作りこみ(美術)がよかったところぐらいかな。

もちろん、全然怖くなかったとしているレビューも、ほんの少しだけあります。これhttp://www.rogerebert.com/reviews/the-conjuring-2013)とか。私も、どうしてそんなに高い評価なのか、納得いかないくちです。血を出さずに怖がらせている点が評価されていますが、血の代わりに音と超クルーズアップ頼みで脅かしてるだけのように感じました。でも観客として怖がりに来ているのだから、怖がらせようという演出に乗っかって怖がったほうが楽しいに決まってますよね……。『リング』はすごく怖かったから、怖がれないわけじゃないはずだ。

ちなみに、『悪夢の棲む家』の事件は、本を売りたかった出版社と家の持ち主のねつ造だという話です。








1 件のコメント:

電気羊/e-sheep さんのコメント...

あ、そうか。服のヒラヒラが怖いのは、楳図かずおだ!「おろち」とか「洗礼」とか……。

あと、怖くないのは、悪霊の由来がいまいち情緒に訴えてこないせいじゃないかな、とちょっと思います。