2015年10月30日金曜日

"Crimson Peak" 『クリムゾン・ピーク』


10月のこの時期は、ハロウィーンに合わせてホラー映画がたくさん公開されます。というわけで、サンタ出戻り記念3本目(これで終わり)はギレルモ・デル・トロ監督のゴシックロマン・ホラー、”Crimson Peak”『クリムゾン・ピーク』。Cinema 9にて鑑賞。『オデッセイ』で書いた新しい椅子は、同じ列の人が座席の足乗せ台を持ち上げているのを見て、初めてその機能に気づいたのですが、いやあ楽ちん、楽ちん。これなら椅子を楽しみに映画を見に来ようという気にもなるというもの。

予告編で、富士の樹海を舞台にしたホラー映画の予告編をやっていました。アメリカ人の女の子が、自殺をするために富士の樹海に入った双子のかたわれを探しに行くという内容で、タイトルは"The Forest"。来年1月公開予定です。それから、"The Revenant"というディカプリオの新作の音楽が、坂本龍一でした。
           
さて、映画ですが、「私が最初に幽霊を見たのは、母がなくなった時…」というエディス(ミア・ワシコウスカ)のアップで幕が開き、続いての回想シーンでは、幼い頃、黒死病でなくなった母親が埋葬された夜、母親の亡霊がエディスの寝室に現れ、「成長したら、クリムゾン・ピークに気をつけろ」と、謎の警告をささやきます。

それから10数年後、20世紀初頭、ニューヨークの資産家の令嬢として成長したエディスは、女だてらに作家志望で、そんな彼女にいじわるを言うスノップな女たちに利発にやり返したりして、このまま「高慢と偏見」風にお話しが進んでも面白そうだな、と思わせるのですが、そうはデル・トロがおろしません。エディスの父親に自分の発明した掘削機を売り込みに来た没落イギリス貴族の青年トーマス(“ロキ”ことトム・ヒドルストン)と恋に落ち、イギリスへ渡って夫(結婚した)の屋敷へ。その間にトーマスの姉で美しきピアノ弾きのルシール(ジェシカ・チャスティン)と会ったり、父親が不審死を遂げたりします。

屋根にぽっかり空いた穴から落ち葉がはらはらと舞うお屋敷(貧乏だから直せない)は、住人はトーマスとルシールのみで、使用人の姿も見当たらず、みるからに不気味で、若妻の嫁ぎ先として理想的とは言えませんが、顔に似合わず肝の据わったエディス嬢は、めげずに新婚生活をはじめようとがんばります。でもなぜかルシールは敵対的だし、トーマスは夜中どっかにいなくなるし、女の幽霊は出るし(母親とはまた別)、屋敷の建つ丘の土壌はどろどろの真っ赤な絵の具みたいだし(「だからここはクリムゾン・ピークと呼ばれている」とトーマス)、なんだか体調はすぐれないし……。

雰囲気作りや道具立ては満点でした。エディスを後ろから追うカットが多いのですが、首の後ろで結ぶドレスのリボンがかわいかったです。黄色系の色だったり、首元のポンポリンだったりは、エディスを「蝶」に例えているんですね。ただ、幽霊の音として、「呪怨」の「キキキキキ……」っていう虫の鳴き声を金属的に加工したような効果音を借用しているのがちょっといただけませんでした。所有地の名前「アレンデール・ホール」は、綴りは多分違うと思うけど「アナ雪」の舞台になった国の名前みたい(^_^)。

スティーブン・キングがべたぼめしたらしいですが、どうも、10月に始まった「アメリカン・ホラー・ストーリー ホテル」と方向性がダブっていて、ガガ様が出ている分、妖しさではAHSに軍配があがります。「情念」みたいなものが、あまり感じられなくて。エディスの子ども時代、夜の寝室のシーンが一番好きになれなかっったです。ホラー感度が悪いせいかも。ホラーものというより、エラリー・クイーンみたいな推理ものとして楽しめたかも。「Xの悲劇」とか、結構怖いものね。

ジェシカ・チャスティンは、つい2日前は『オデッセイ』でキリッとした宇宙飛行士の隊長をしていたのに、こちらではゴシックワールドにピタリとはまり、幽霊より恐ろしげでした。

関係ないですが怖いといえば11月にはじまる"South of Hell"というテレビ番組がなかなか怖そうです。

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