2015年10月30日金曜日

“Pan” 『PAN ~ネバーランド、夢のはじまり~』

サンタ出戻り記念2本目は、 『PAN ~ネバーランド、夢のはじまり~』です。
『プライドと偏見』のジョー・ライト監督が、おとぎ話「ピーターパン」の前日譚をスクリーンに描き出した作品。

新居から最寄りの映画館へは、キャピトラという町のモールそばにあり、歩いて30分。小さなスクリーンが8つ集まったシネマコンプレックスは改装工事中も営業していて、マチネー代は6ドルと安かったものの、炎天下を歩いて喉が渇いたのでコーラを買ったら、4.5ドルしました。ひでぇぼったくり。座席数はせいぜい50程度ながら、やっぱりここも、シネマ9と同じカウチ椅子になっていて、ゆったり座って鑑賞できました。『スター・ウォーズ』や『スヌーピー』の予告編が流れましたが、『スヌーピー』はかわいくて、ウェルメイドそうです。隣のおばあさんが気に入ったようで、公開日をメモっていました。

さて、『PAN』です。予告編を観て、摩訶不思議なファンタジー世界を堪能できそうだと期待したら、確かに摩訶不思議な映画でした。ええと、この映画の狙いは、どのへんにあるのかしら? ピーターパンのお話しをこんな風にこねくりまわし、いったいどうしたかったのか、さっぱり分からず。ロンドン大空襲、孤児院、ごうつくババアの院長、シルク・ド・ソレイユの団員みたいな海賊たち、戦闘機VS空飛ぶ海賊船、とつぜんニルヴァーナを歌い出すミュージカルな展開はどれもその場限りで、世界観ひとつ統一されてなく、それぞれのキャラクターは魅力的なのかもしれないけれど、いろんなジャンルの映画から連れてきたみたいで、最後までお互いがかみ合わないままでした。うーん、そこがもしや、まさしく狙いなのかな? 「夢の中の世界ならなんでもありなんだよ」ということなのかもしれないけど、仕上がりは、「自由」よりは「不自由」感、「解放」よりは「閉塞」感、「飛翔」よりは「降下」感ばかりが、強調されていたように思います。

悪役の黒ひげ船長を演じたヒュー・ジャックマンが芸達者なので、ずいぶん救われていました。

仲間だったフック(『トロン:レガシー』のギャレット・ヘドランド)がどうして敵になったのかが語られずじまいで、続編を作るつもりなのでしょうが、そこをこの映画でせめて匂わすだけもしないのは不誠実すぎる。肩すかしもいいところ。


 たまたま、日本から小学館刊「カラー名作 少年少女世界の文学」のイギリス編を持ってきていて、「ピーター・パン」も収録されていたので読んでみたのですが、「黒ひげ」はフック船長の親分として1回だけ言及され、孤児院のときのピーターの親友ニブスは「迷子の少年たち」の一員として出てきました。ウェンディたちのお父さんがひどいワンマンだったり、大人になりたくないから「夢の島」(Never Landの訳かな)に飛んでいったピーター・パンが、おかあさんが恋しくなって戻ってみるともう次の子を産んで添い寝している光景にショックを覚えたり(『トイ・ストーリー3』のピンクのくまさんだ!)、ティンカー・ベルが陰謀家だったりと、なかなか含蓄がありました。ウェンディは「未来少年コナン」のラナの原型かな。ダイスはフック船長か。



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