2017年12月9日土曜日

"The Disaster Artist"『ディザスター・アーティスト』

『ザ・ルーム』という映画をご存じでしょうか。"The best worst movie"、"ダメ映画の『市民ケーン』"と呼ばれ、あまりのひどさにカルト化し、2003年にロスの映画館1館のみで2週間上映されて以来、14年にわたって今も世界中で上映されています。

映画に助演したグレッグ・セステロが『ザ・ルーム』の舞台裏を描いたノンフィクション"The Disaster Artist"を読んで、製作・脚本・監督・主演したトミー・ワイゾーにいたく共鳴したジェームズ・フランコが、本に基づき映画化したのがこの作品。サンフランシスコの演劇クラスで出会ったトミーとグレッグのなれそめにはじまり、スターを夢見たふたりがロスに出、苦い挫折の末に自分たちで映画を作ろうと一念発起し、制作からプレミアまでの道のりを追います。

『ザ・ルーム』と"The Disaster Artist"映画化までの経緯は、こちらを参照されたし。
"The Room"もぎたて感想

ジェームズ・フランコがトミー役、弟のデイブがグレッグ・セステロ役。その他、豪華なカメオ出演が多数。映画化の交渉をした際、トミーは自分役にジョニー・デップを所望したそうです😅。トミー本人もエンド・クレジットが終わった後、怪しいパーティ客の役で顔出ししています。トミー役を演じているフランコとのシーンを、映画化の条件のひとつとしてトミー自ら要求したといういかにもな理由でした。

一番の見どころは、とにかくクセのあるトミーを、独特なアクセントから笑い方から運動オンチぶりから、なりきって演じたフランコの演技にあります。フランコたち勝ち組のハリウッド人が、こうも『ザ・ルーム』とトミーに魅了される理由とは? 知りたい人は、『ディザスター・アーティスト』に、そのヒントがあります(映画冒頭でハリウッドセレブらが『ザ・ルーム』への傾倒ぶりを告白するシーンすらあります)。意外だったのは、今でもトミーとグレッグは毎日やりとりするほど親密な仲だということ。げに男心は不可解なり。

この映画を見たDel Mar Theaterで、明後日は『ザ・ルーム』深夜上映を観てきます。スプーンを持って行くべきだろうか。

12/10/17
 行ってきました、真夜中の『ザ・ルーム』。
若者たちで大盛り上がりの上映会でした。
海が映れば「ウォーター!」(『奇跡の人』か)、フットボールの投げっこでは「スポーツ!」、ドアを閉めれば"Thank you closing the door!"と叫び、階段を上る場面では足を踏みならし、スプーンの写真立てが映るたびにスプーンが飛び交います(上映前にスプーンを配っている人や、上映中に投げ飛ばしたスプーンを探して回収する人あり。わたしにまでスプーンをくれました)。もう何回も見て、いつ何が映るか、みなさん熟知していらっしゃいます。

集団の若者達って、元気ありすぎて、おばさんはちょっと怖かったですよ😅



2017年12月6日水曜日

“Three Billboards Outside Ebbing, Missouri”『スリー・ビルボード』

オスカーの呼び声高い一本。シカゴ・サンタイムズのリチャード・ローパーは今年のベストに挙げています。

ミズーリ州の小さな田舎町エビング。町外れに立つ3つのビルボード(広告看板)に、真っ赤な地に黒い文字で、7ヶ月前に起きたレイプ殺人事件の犯人を捕まえられずにいる地元警察をなじるメッセージが掲げられた。広告主は被害者の母親、ミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)だ。名指しで非難されたウィロビー署長(ウディ・ハレルソン)を慕う部下達や町の住人達と、ミルドレッドの間に緊張が生まれ、確執は日を追うごとに深まっていく。

2017年12月4日月曜日

"Lady Bird"

2002年、レディ・バード(シアーシャ・ローナン)はカリフォルニア州サクラメントのカソリック系女子校に通う高校3年生だった。本名はクリスティンだが平凡な名前を嫌い、自分でレディバードと名乗っている。刺激のないサクラメントの町も嫌いで、大学は「文筆家達が森に住む」文化の薫り高い東海岸の学校に行きたいと切に願っている。

母親と車中で『怒りの葡萄』の朗読テープを聴きながら涙ぐんでいたと思えば、母親の歯に衣着せない物言いにいらついて衝動的にドアを開けて車から落ちる冒頭場面から、もうこの母子に親近感を覚えてしまいます。レディ・バードはこの愚行のせいで映画の間中、腕にピンク色のギブスをはめてますが。

執筆、監督したのは『フランシス・ハ』などの女優グレタ・ガーウィグ。同作をノア・バームバックと共同脚本するなど、脚本や製作をいくつか手がけ、また何人もの優れた映画監督の現場で学び、「映画学校で正式な監督術は学んでいないけれど(本人の弁)」、満を持しての初監督です。

青春映画、成長物語にもかかわらず、両親や周囲の人間達にも焦点を当て、暖かい作風ながらバランスのとれた映画作りが絶賛され、「誰もがこの映画を好きなる」とツイートしたRotten Tomatosにおける評価は、12/3/17現在185件のレビューで100%の快挙をあげています。

監督の青春時代を緩く下敷きにしていて、2002年当時に流行った曲の使用許可を得るために、じきじきにアーティストたちに手紙を書いたそうで、トーク番組で何通か読み上げてましたが、ジャスティン・ティンバーレイクへの手紙なんか、ほとんどティーンエイジャーの書いたファンレターみたいで面白かったです。

「LoveとAttentionは同じことではないの」とか「これが『最高のわたし』だったらどうする?」とか、名セリフや、印象深い場面がいくつかあります。客席は年配のカップルでいっぱいで、笑い声をあげながらエンジョイしている様子でした。わたしは高校演劇の指導をしている優しいオーソン・ウェルズみたいな顔の神父さんが、大好きでした。生徒達と「一番最初に泣いた者が勝ち」競争をしかけて、自分が一番最初に泣いちゃうの。あと、彼の後釜で、フットボールのコーチをしていた神父さんが、舞台のブロッキングをフットボールのフォーメーションみたいに指示するのも面白かったです(^_^)。レディ・バードは嫌いと公言していたけれど、監督はサクラメントの町を美しく撮っていました。

昨夜(12月2日)、SNLのゲストがシオーシャちゃんで、自分の名前の発音(Saoirse)をネタにしてました。


http://ew.com/tv/2017/12/03/saoirse-ronan-pronunciation-snl-monologue/?utm_campaign=entertainmentweekly&utm_source=twitter.com&utm_medium=social&xid=entertainment-weekly_socialflow_twitter


とあるスケッチではグレタ・ガーウィグが友情出演も(^_^)。

[自分用メモ]Nickelは映画前の前口上をやるようになったらしい。この回はClosed captionを貸してくれた館主。

2017年11月3日金曜日

“The Florida Project”

母親と2人で紫色のモーテル「マジック・キャッスル」に暮らす6歳の少女、ムーニーが過ごすひと夏を描いたインディ映画です。

ファーストシーンで、ムーニーと友達の男の子スクーティが階段下の地べたに足を投げ出して座り、退屈そうに左右の靴先を合わせてコツコツ鳴らしています。仲間がもうひとり来ると、たーっとかけだし、お向かいのモーテル「フューチャーランド」に行き、2階の手すりに腰掛けて駐車場の車につばを飛ばしっこして遊びます。下の部屋から出てきたおばさんが子どもたちをしかっても言うことを聞かないので、モーテルの管理人ボビー(ウィレム・デフォー)を通し、子どもの母親へ苦情を訴えます。細っこい全身に入れ墨を入れ、下唇にピアスをして毛先を緑色に染めた年若い母親のヘイリーは悪びれず、「わたし母親失格だって、ムーニー」とにこにこ。結局ムーニーたちは車のふき掃除をしますが、それすら楽しいお遊びにしてしまい、文句を言った女性の孫ジャンシーも一緒にふきはじめる始末。

2017年10月28日土曜日

“Victoria and Abdul”

『Queen Victoria 至上の恋』でヴィクトリア女王を演じたジュディ・デンチが、20年ぶりに同役を演じ(最近そんなんばっか)、年代的にも『至上の恋』よりも後の、インドから来た使用人との思いがけない友情を扱っています。監督はスティーブン・フリアーズ。

晩年のヴィクトリア女王が主人公の史劇だし、イギリス英語だし、肩がこるだろうと思ったらユーモラスで楽しく観賞できました。後半はちょっとシリアスになるけれど、前半のupliftingな余韻で乗り切れます。

2017年10月26日木曜日

”The Foreigner”


ロンドンで中華レストランのオーナーをしているクアン(ジャッキー・チェン)のまな娘が、テロに巻き込まれて殺される。犯人はIRAの一分派らしいが、構成員の情報も、潜伏場所の手がかりもつかめない。唯一の家族を失い生きる気力をなくしたクアンは実行犯を捕まえて欲しいと警察に通いつめるが、体よく追い払われる。元IRAで現在は英政府の仕事をしているヘネシー(年取って007仲間のショーン・コネリー化してきたピアーズ・ブロズナン)が事件の責任者になったニュースを見たクアンは彼のオフィスに電話し、らちがあかないとみると店を女性マネジャーに任せて単身アイルランドに渡る。

"Geostorm"『ジオストーム』

ディザスター(災害もの)ムービーです。

世界各地で一部の町が消滅するほどまでに異常気象が悪化した2019年、ひとりの天才科学者が地球上空をネットで覆い衛星で気温をコントロールするシステムを開発した。だが、身を挺して堤防の決壊を防いだオランダ少年の逸話から〝ダッチボーイ〟と名づけられたそのシステムの開発者ジェイク(ジェラルド・バトラー)はアメリカ政府の怒りを買って任を解かれ、弟のマックスが後釜に座る。3年後、アフガニスタンの小村が凍りつき、村民が全滅する異常事態が起きる。原因解明のため、再び〝ダッチボーイ〟に送り込まれたジェイクは、まもなく何者かがひそかに〝ダッチボーイ〟を操り、狙い定めた地域に次々と異常気象をもたらしていることをつきとめる。局地的な異常気象がやがて地球規模の不可逆なジオストームを引き起こす前に、ジェイクは犯人を探し出してシステムを元に戻すことができるだろうか!?

2017年10月20日金曜日

"Battle of the Sexes”

1973年、女子テニス界でトップクラスのテニス選手ビリー・ジーン・キングと、往年の名選手ボビー・リッグス(当時55歳)が対戦し、”The Battle of the Sexes”と呼ばれた男vs女のエキシビションを映画化した作品。監督は『リトル・ミス・サンシャイン』のジョナサ・・デイトン&ヴァレリー・ファリスで、キング夫人をエマ・ストーン、リッグスを『リトル・ミス・サンシャイン』でも起用したスティーヴ・カレルが演じています。

なぜそんな試合が行われたのか。映画では試合にいたるまでの過程をキングとリッグスほぼ均等に時間を割き、丁寧に描いています。映画から得た印象では、1、リッグスの性格(ギャンブル好きで過剰な自己演出好き)。2、男女同権運動が高まっていた当時の機運の、ふたつが主な要因だったようです。男性選手よりも報酬が格段に少ないことに異を唱え、女子テニス協会を設立したキング夫人は、リッグスにとって格好の標的でした。

2017年10月17日火曜日

"Loving Vincent" 『ゴッホ ~最期の手紙~』

ゴッホの油絵そのままの絵柄で、ゴッホの死の謎に迫るアニメーション作品。

「油絵が動く」ということでハンガリーの油絵アニメーション『英雄時代』('82)を連想しつつ観に行くと、アニメーションと言っても先に俳優を使い実写で撮った映像を下絵に使う、ロトスコープ方式でした。もちろんそれにより、手間のかかる手法のせいで止め絵や単調な構図ばかりの『英雄時代』に比べ、自在なカメラワークや全編が動きどおしという利点を手にしましたが、「人が作った動き」を楽しむという点での満足感は得にくいです。

そのせいか、スクリーンですごいアートが展開していても、なかなか響いてきません。それからやたらセリフが多いです。「動いている」よりも「しゃべっている」印象の方が強く、これをアニメーションだと思って観に来ると痛い目にあいます(ずばり"talking heads"とまで書いているレビューもあり)。とはいえ監督はれっきとしたアニメ畑の方々で、ひとりはあの鮮烈なコマ撮り作品『ピーターと狼』のプロデューサー、ヒュー・ウェルチマン。もうひとりの監督で画家が本業らしいドロタ・コビエラは、『リトル・ポストマン』という世界初の「立体絵画アニメーション」でLA3D映画祭の短編賞を受賞しています。ドロタさんはなかなかの美女で、彼女に惚れて結婚しちゃったウェルチマンが、彼女が暖めていた短編企画を長編作品にしたのがこの映画。「私はなによりも素晴らしいストーリーを語ることに情熱を注いでいる」と強調するウェルチマンを代弁するように、とにかく登場人物たちは多弁でした。ゴッホが描いた人々に血肉を与える、という試みに共感できればスリリングな映像体験ができるのかもしれません。(監督の弁



エンドクレジットの使用曲"Starry, Starry Night"が素晴らしく、歌声は女性だったのですが、作曲がドン・マクリーンとあったので、帰ってから調べたら、この耳なじみのある曲は「アメリカン・パイ」で有名なマクリーンが作った曲だったのですね。しかも、ゴッホの「星月夜」を歌ったもので、本当の題は"Vincent"だというではないですか。いや、勉強になります。

出演俳優のなかに、クリス・オダウドとシアーシャ・ローナンがいたのもうれしいおまけでした。本編が始まる前の予告編に、シアーシャの新作"Lady Bird"がかかったのですが、自分でもビックリするぐらい、シアーシャを見ているだけでしあわせな気持ちになりました。

"Lady Bird"予告編
母親に「あなたにはあなたの最高のバージョンになって欲しいの」と言われ、
「これが最高のわたしだったらどうする?」と返すシアーシャ🐞

というわけで、いろいろと発見のあった実験作でした。








どうせならこの人を動かして欲しかったな…。

「火のついたタバコをくわえた骸骨」byゴッホ




2017年9月17日日曜日

“The Eagle Huntress“ 『イーグルハンター 1000年の歴史を変えた「鷹匠」少女』

モンゴルに住むりんごのほっぺの少女が、鷹匠を目指すドキュメンタリー。
女の子が鷹匠になるのはモンゴルでもはじめて。
鷹匠組合の偉い人みたいなおじいさん達が、口では「女が鷹匠なんて許さんけぇ」といいながら、別にアイショルパン(女の子の名前)が大会に出るのを反対もせず、ちゃんと評価してあげるのがいいな。アイショルパンはじめ、みんなおっとりしている。カザフ人だそうです。

鷹の訓練に死んだウサギをずるずる引きずったり、雪山でキツネを狩らせる場面は、先日”PAX”というキツネの物語を読んだばかりなので、キツネに肩入れしてしまう。でもキツネ対イヌワシの闘い、見ものです。

デイジー・リドリーがナレーションをしているよ。

イヌワシもモフモフだけど、アイショルパンたちの帽子もモフモフ。
イヌワシをドラゴン、アイショルパンをデナーリスに見立てて『ゲーム・オブ・スローンズ』ごっこもできるよ。


関係ないけど"PAX"という児童書。
キツネと男の子の切ないおはなし。
邦訳があるのか知らないけど、よかったです。

2017年8月5日土曜日

"Dark Tower"『ダークタワー』

スティーブン・キングファンの集う(?)先行上映で観てきました。
予告編の、ガンスリンガーが銃を横に振ると銃弾が装填されるという荒唐無稽なガンアクションにしびれて、悪評をものともせず観に行ったのだけど、評判通り、generic(凡庸)なSFファンタジーアクションに終始していました。

原作冒頭の、黒衣の男を追って荒野をさすらうガンスリンガーという映画的においしい絵柄を、なぜ捨てるかな? 残念なのは、例のガンアクションシーンも、本編で観るより予告編で観る方が印象的だったこと。

あとジェイク少年のユニークな出自も変えちゃって、1巻でローランドが下す胸熱な決断もありませんでした。キングに詳しい方ではないけれど、「ファイアースターター(炎の少女チャーリー)」のように、子どもと男の不思議な絆みたいなのを描くの、うまいですよね。

まあレビューで散々な言われようしていますが、ガンスリンガー役にイドリス・エルバを抜擢したのだけはお手柄、と口々に褒めています。

ロン・ハワードら制作陣が、今一番コワモテな俳優を探して、エルバで意見が一致したそうです。キングは「荒野の決闘」のクリント・イーストウッドをイメージして執筆したとか。エルバはイギリス人で、トークショーにゲスト出演したとき、銃ならぬ紅茶のカップを手に登場してました😄

なんかボヤッとした仕上がりになったのは、二つの製作会社が同等の発言権を持ち、さらにキングもダメだしをする権利を持っていたため3すくみになってしまったせいのようです。おかげで事前プロモーションもろくにできなかったのだとか。

来年、テレビシリーズが始まるみたいなので、そちらに期待したいです。

2017年7月18日火曜日

"The Founder" 『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』

スパイダーマン:ホームカミング』のマイケル・キートンが鮮烈だったので、ちょっと前に公開された彼の主演作『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』のDVDを借りて、観てみました。

邦題通り、マクドナルド創業秘話です。
キートンが演じるのは、レイ・クロックというセールスマン。ドライブインレストランにミルクシェイクのミキサーを売り込んで回るが、ちっとも買い手がつきません。そこへ、1度に8台ものミキサーを注文する店が現れます。半信半疑でカリフォルニアにある店の視察に赴いたレイは、マクドナルドというハンバーガー・レストランの、徹底して効率化を図った画期的なシステムを目の当たりにし、天啓を受けます。渋る兄弟を説得して、フランチャイズ権の契約を結んだレイの、猪突猛進が始まる…。

2017年7月14日金曜日

“Spider-man: Homecoming”『スパイダーマン:ホームカミング』

ここ数年、ヒーローものはあまり観なくなったので、映画の冒頭で面食らいました。

ピーター・パーカーはもうスパイダーマンになっていて、なぜかジョン・ファヴローのお守りがついていて、ほかのヒーローたち(アベンジャーズ)と一緒に模擬戦をしています。
一方ニューヨークでは、なんだかテーマパークのアトラクションのようなデザインの構造物を解体する作業員たちが、政府の役人(トニー・スタークがバックについている)からお役御免になります。作業員の親分をマイケル・キートンが演じていて、「エイリアンの遺物を利用してやる」と、スタークら「1%の富裕層」への復讐に燃えます。つまり、解体しているのはエイリアンのものであり、この映画はエイリアンが地球に攻めてきて、追っ払ったあとのお話のようです。

2017年7月7日金曜日

"Cars 3" 『カーズ/クロスロード』

やはりこういうのは映画館の大きなスクリーンで観る方がいいだろうということで、Cinema9で鑑賞。

公開3週目ぐらいの午前11時の回で、お客さんはあともうひとりだけ。座席指定するときは真ん中後方の一番いい席がいくつか埋まっていたのに、変なの。

とてもおもしろかったです。
映像も、ストーリーも、素晴らしいです。 時々実写と見まごいます。
そして人生下り坂の人間にとって、グサグサ来ました。映画のターゲットである子供や若者、「負けたことのない人(by『そして、父になる』のリリー・フランキー)」にはピンと来ないでしょうに、それを百も承知で作ったに違いない、ピクサーのクリエイター魂に敬服です(辛い評価をしている映画評論家は、きっと勝ち組なのでしょう)。

2017年7月2日日曜日

“47 METERS DOWN”『海底47m』

夏にピッタリ、海洋ホラー。

マンディ・ムーアとクレア・ホルトの姉妹がバカンスに訪れたメキシコで、現地で知り合った二人のイケメンに誘われてケージ・ダイビングに挑戦する。くたびれた小さなボートで沖に出ると、イケメンたちが先に檻に入り、安全に水中でのサメ鑑賞をエンジョイした後、ふたりの番が来る。さびさびの檻に不安を隠せない二人に、船長のマシュー・モディーンは「大丈夫。いったん海中に入ったら出てきたくなくなるから!」と保証する。その言葉通り、最初はサメたちの泳ぐ姿にはしゃぐ姉妹だったが、檻につながれたケーブルが切れてしまい、47メートルの海底に落ちてしまう。サメの徘徊する海中から、酸素ボンベのタイムリミット内にふたりは浮上できるか!?

マシュー・モディーン(『ストレンジャー・シングス』『バーディ』『フルメタル・ジャケット』)のファンなので観に行きましたが、堂々たるチープなB級ホラーを楽しめるかどうか半信半疑で、さびさびの檻に入る姉妹さながら不安な気持ちでした。

でも、面白かったです。大胆な行動派の妹に比べ慎重派の姉は「退屈だから」とカレに出て行かれ、傷心を癒やすために来たバカンスで柄に似合わず冒険する、という設定も薬味がほどよく効いていました。

音楽がお久しぶりのトマンダンディ(ルトガー・ハウアー主演『MR.STITCH 悪魔の種子』)。

似たようなプロットの『ケージ・ダイブ』とは別物なので要注意!

いちおうダイビングの経験はあるけれど、水深47メートルの恐怖がいかばかりのものか、ちょっと想像つかないなあ。自分だったらそれだけで恐怖のあまり死んでしまいそうだ。

トーク番組に出たときにマンディ・ムーアが説明していましたが、撮影は深さ5mぐらいのタンクで行い、海底感を出すために水を濁らせたそうです。ずっと水の中に浸かっているので、どうしてもおしっこ出ちゃうんですって。😅 ほんとに水中での演技、大変そうです。マシュー君も二人の主演女優の女優魂を讃えていました。

2017年7月1日土曜日

"Baby Driver"『ベイビー・ドライバー』

『ショーン・オブ・ザ・デッド』のエドガー・ライト脚本・監督による、凡百の犯罪アクションとは一線を画す作品。

主人公のベイビーは、『ドライブ』のライアン・ゴスリング同様、犯罪者たちを犯行現場から警察の追跡を振り切ってゲッタウェイさせるドライバー係をしています。どんなときもイヤホンをはめて型落ちのipadから音楽を聴いているのは、子供の時に遭った交通事故で耳鳴りに悩まされるようになったから、という設定。

映画冒頭の、BGM(=ベイビーが聴いている曲。この時はジョン・スペンサー・ブルーズ・エクスプロージョンの「ベルボトムズ」)にピッタリとアクション&カット割りのタイミングを合わせたカー・アクションが、爽快この上ないです。ベイビー(アンセル・エルゴート)は文字通りベビーフェイスで口数も少ない一見人畜無害そうな若者ですが、いったんハンドルを握ってアクセルを踏んだら、誰にもnonstoppableな天才ドライバー。

2017年6月12日月曜日

"The Mummy"『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』

公開後初めての週末に観に行きました。

興行成績では『ワンダーウーマン』に惨敗と報じられていますが、客席は老若男女で賑わっています。結構お年寄りも多いのが意外。えーと、往年のモンスター映画を懐かしんで? トム・クルーズファン!?  私たちの隣りに座ったのも元ヒッピー風の60年代風の人で、ここの劇場グループが上映前にかけるジェットコースターを模したスポットで、両手を挙げるノリの良さ😀

"wrapped in plastic"のトム・クルーズが死体安置所で息を吹き返すシーンでも、「ひゃあ!」みたいなすっとんきょうな声をあげて、それまで息つく間もなく展開するスクリーンに魅入っていた観客たちもそれに反応してクスクス笑いが波のように起きて(だって予告編でやってたじゃない! この人は映画ビギナーなのか!?)、私たちの前席に座っていた「上映中のおしゃべりは他のお客様の迷惑になります」スペイン語娘三人組に笑いの発作が起きちゃって、しばらくキャハキャハ笑っていました。こういう映画は大勢の観客たちと映画館で観るに限りますねー!

簡単なあらすじと書こうと思ったけど、まあいいかな。みんな知ってるよね。
トム・クルーズはトム・クルーズ役で、ミイラは『キングスマン』の足が凶器になってたソフィア・ブテラで、クルーズのサイドキック役がテレビ『New Girl』のジェイク・ジョンソン。ラッセル・クロウが秘密組織のボス役ですが、こういう、「超常現象(たいてい歴史ミステリーに材をとる)のからむ事件を扱う政府の息のかかった秘密組織」みたいのが大流行りですね。小説の世界もしかりで、それがまたよく売れているそうです。

本編はユニバーサル・ピクチャーズが立ち上げた「ダーク・ユニバース」の第一作。今後も活躍できるように、トム・クルーズは(→ネタバレなので白字に)死の神セトと合体してデビルマン化します。

鑑賞後、監督のインタビューを読みましたが、トム・クルーズの動きがすっかり「うる星やつら」のテンちゃんだった水中シーンは、なるべくCGにしないで、生身の人間たちで撮ったそうです。おかげで生々しかったけど、その代償がテンちゃんなのはどうだろう。



2000年代に制作されたブレンダン・フレイザー主演のミイラシリーズ、『ハムナプトラ』。
第三作のノベライズ翻訳が、はじめて訳した小説です。秦の始皇帝っぽい役でジェット・リーが出てました。これの主人公のコメディタッチ、巻き込まれ型タイプが本作でも踏襲されています。

2017年6月10日土曜日

"Wonder Woman"『ワンダーウーマン』

あんまり評判いいので観に行ったら、まじで良かったです。

全然知らなかったけど、ワンダーウーマンてアマゾネスで、ゼウスの子どもだったんですね。原作は1941年に誕生し、第二次大戦中の話だそうですが、映画版では第一次大戦に変えています。

ダイアナ(後のワンダーウーマン)が育ったアマゾネスの島に、ある日突然、アメリカ人パイロットのスティーブが操る戦闘機が落ちる。それまで世界から隔絶していた女戦士たちは、世界大戦が勃発したことを知らずにいた。宿敵・軍神アレスを倒して戦争を終わらせるべく、ワンダーウーマンはスティーブとともにイギリスに渡る。

2017年6月9日金曜日

"American Gods" 『アメリカン・ゴッズ』

ケーブル局STARZのテレビドラマで、原作は『コラライン』『スターダスト』のニール・ゲイマン。ゲイマンは製作総指揮もしている。

昨年に製作が発表されてからずっと観たかったのですが、プレミアムチャンネルなのであきらめていたら、日本のアマゾンプライムで観られるじゃないですか! なんか複雑。ぼかしをいくつも入れなきゃいけないのに、よくストリーミングするなぁ。

原作は長いし、一筋縄ではいかない内容なのに、映像化に成功していてすごいです。「物語を物語る」という点では、アメリカのテレビドラマはどんどん小説のレベルに近づいています。小説がテレビドラマに近づいているとも言えるかもしれない。小説を古い神、テレビドラマを新しい神と捉えれば、そのまま『アメリカン・ゴッズ』を体現しているようで面白いです。ムーンが雪を降らすシークエンスが美しくて、特に映像化ならではのCGによる絵作りが白眉。

2017年5月20日土曜日

“Big Little lies”『ビッグ・リトル・ライズ~セレブママたちの憂うつ~』

HBOが製作した全7話のミニシリーズ。
監督は『ダラス・バイヤーズクラブ』のジャン=マルク・ヴァレ、製作総指揮/脚本に『アリー my LOVE』のデイビッド・E・ケリー、主演のリース・ウィザースプーンとニコール・キッドマンは製作総指揮もつとめている。

アメリカでは今年の2月から放映され、回を追うごとにぐんぐん評価と評判が上がっていきました。
私が観たいと思った理由は、モントレーを舞台にしたドラマだったからです。私の住むサンタクルーズからは車で小一時間ほど離れた風光明媚な海辺の街(サンタもモントレー湾沿いの街のひとつ)で、スタインベックの小説で有名なキャナリー・ロウや、『ファインディング・ドリー』に出てくる水族館のモデルであるモントレー水族館などが目玉の観光地でもあります。去年、地元のニュースでロケ撮影の様子が伝えられました。

セピア調、あるいは青みがかった色調で描かれるモントレーは予想以上に美しく撮られ、まさにピクチャレスク(同じ撮影監督でサンタも撮って欲しい〜)。その絵のような街を舞台に、同じ小学校に通う子どもを持つ5人の母親たちの、それぞれの日々を送る間に生まれるドラマが交錯していきます。

小学校の資金集めのために開かれる毎年恒例の夜会イベント(今年はエルビスとヘプバーンがテーマ)で、殺人事件が発生した。殺されたのは誰? 殺したのは誰? 現場検証を終え、警察はイベントに集まった学校職員や父兄たちから事情聴取をはじめる。

2017年5月9日火曜日

“Sing”『シング』&“Moana” 『モアナと伝説の海』

“Sing”『シング』
 
楽しかった! 動物たちが演じる、昭和の人情喜劇を観ているようでした!

 同じ日に観た『モアナ』もとてもよかったけれど、これを観てしまうと、型どおり過ぎる欠点が鮮明になってしまう。

『シング!』は、結末は予定調和でも、要所要所で予想外な展開があって、ちっとも退屈しませんでした。ひとつのアクションに対してのリアクションも細やかで、それぞれのキャラクターにもとづいて、あくまで自律的な反応をしているように感じさせ、うっというしいキャラもアクションもひとつもなくて見事です。夢破れた劇場支配人のコアラが悪友のねぐらに居候してふて寝していたら、出場者たちがやってきて励まし、それを受けてのコアラのとった行動と、悪友のリアクションとかね。

 日本のガールズバンドの描写に対しては、ヤマアラシ嬢の針が2,3本ささりましたけど。まぁアングロサクソンから見たら色もの以外の何ものでもないわな。

 どんなドジでもダメなヤツでも悪い奴でもちっとも責めないコアラが素敵🐨 
 コアラもふくめ、声優が誰なのか見当つかなかったけど、コアラの悪友のラマ(?)だけは、ジョン・C・ライリーだってわかったよ。(^_^;) それぞれの性格と役回りにぴったりな(そこは型どおり)動物の配役も効いてました。200歳のカメレオンがお気に入り。ギョロ目でしかも義眼だけど、ヘイヘイと同じくがちゃ目なのがチャームポイント。

“Moana” 『モアナと伝説の海』
 
すっごいきれいな画面でした。海の表現、有機物・無機物の質感とライティング…。どこまで行くのだろう。この完成度のモアナとマウイが、2Dアニメのタパを背景に歌い踊るシーンはある種、パラダイムシフト的な衝撃がありました。

 マウイはディズニー・スタジオを体現しているようでした。浮くも沈むも大衆の支持次第。

 ヒロイン像(ナ○シカor/and○尋)もモンスター(ダイ○ラ○ッチor/andポニョのお母さん)も、どうして毎回臆面もなく、Mixxxxkiの剽窃をするのかが最大の謎です。『ライオンキング』(ジャングル大帝)しかり、『アトランティス』(ナディア)しかり、スタジオの体質とみなされても仕方がない? でも真似されっぱなしで長いものに巻かれる方がもっと情けない。

 ヘイヘイがお気に入り♡

 これも、5、6年後にはディズニーが実写にするんですかね。

2017年5月8日月曜日

“Manchester by the Sea”『マンチェスター・バイ・ザ・シー』


アカデミー賞作品賞他数々の映画賞にノミネートされ、アカデミー賞主演男優賞(ケーシー・アフレック)、脚本賞(ケネス・ローガン)を受賞した作品。
評価もRotten Tomatos, Metacritic ともに96点と、ほぼ最高点に近い評価を得ている。

つまり、私のような感想を持った人間はほぼいないということに。
貴重な少数意見がこちら:

なんといやみったらしい映画なんだ。
こんなにムカムカする映画は観たことがない。
見終わったあと、主人公のリーのようにバーに行って酒かっくらって誰彼なしに殴りかかりたくなりました。

おわり。
Amazon Primeで観賞。

2017年5月5日金曜日

"The Circle"『ザ・サークル』

トム・ハンクス、エマ・ワトソン主演のテクノスリラー。

デイヴ・エガーズ著『ザ・サークル』を、エガーズとジェームズ・ポンソルトが脚色、ポンソルトが監督した。ハンクスは製作も兼ねている。

グーグルとFacebookとインスタグラムを合わせたようなIT会社<サークル>のカスタマー・サービス部門に採用され、メイ(エマ・ワトソン)は有頂天になる。

カリフォルニアのベイエリアに構えた円環状の社屋(Appleの新社屋そっくり!)は開放的で、社員は若くフレンドリー、仕事への熱意にあふれていた。福利厚生は充実し、芝生を敷きつめた広大なキャンパスはドローンが飛び交い、夜通しのパーティやBECKら有名バンドの演奏などのレクリエーションが常時行われ、寮やスポーツ施設も完備されており社員はキャンパスを一歩も出ずに快適に生活できた。実際、義務ではないものの、社員は週末も会社に残り、様々なアクティビティに参加して社内の交流を深めることが奨励されていた。サークル社が開発したOSのユーザーと社員はSNSで繋がり、趣味などの個人情報をオープンにしていない社員には、ユーザーが辛い採点をする。それというのも、創業者のベイリー(トム・ハンクス)が「秘密は嘘」「シェアリングは分かちあい」をモットーとして、個人も企業も政治家も、すべての情報を公にさらす「透明な」社会を理想としていたからだった。

2017年5月2日火曜日

"Colossal"『シンクロナイズド・モンスター』

Colossalは、でっけーとか大ごととか、そんな意味。

韓国のソウルに怪獣が出現し、アメリカの片田舎にいるアン・ハサウェイは怪物が自分とそっくり同じ動作をすることに気がつく、という荒唐無稽ストーリー。

ニューヨークで酒浸りのパーティー三昧生活を送っていたグロリア(アン・ハサウェイ)は、恋人から愛想を尽かされて部屋を追い出されてしまう。田舎の実家に戻ったグロリアは、幼なじみのオスカー(SNL出身のコメディアン、ジェイソン・サダイキス)と再会して彼のバーでウェイトレスのバイトをはじめる。その頃、世間はソウルに怪獣出現の報に騒然となっていた。グロリアはあるとき、怪獣と自分に、なぜか繋がりがあることを発見する。酔っ払って正体をなくし、公園でくだをまく自分の行動と、怪獣のとる行動が同期しているのだ。

2017年4月3日月曜日

"Ghost in The Shell"『ゴースト・イン・ザ・シェル』

『ゴースト・イン・ザ・シェル』、公開二日目の土曜日午後、3Dで観てきました。サンタのシネコン、シネマ9が、左のようなカードをくれました。1000枚配るうちの900番目。切れのいい番号! この映画館では900人目の観客です。どうしておひな様と一緒に映っているかは、映画を観るとわかります!

文句はいろいろあるけどそれは書いてもしようもないことばかりなので、内容に関係ないことをひとつ書くと、3Dで観なくても全然構わない映画でした。😅

いいところを書くと、スカヨハは眼福で、バトー役の人が良くて、バセットハウンドがいっぱい出てきて、タケシは場面掠いで、桃井かおりは英語でも桃井かおりで(彼女の英語、すごく聞き取りづらい…)、この映画観ると、アニメーションの方の映画をもう一度観たくなります😀


2017年3月25日土曜日

"Kedi"『猫が教えてくれたこと』

イスタンブールの野良猫たちを撮ったドキュメンタリー。

海辺の古都、イスタンブールは野良猫だらけ。「野良猫のいないイスタンブールなんて考えられない」と住人がいうほど、街の暮らしと一体化しています。

映画は、うじゃうじゃいるネコたちから7匹をクローズアップして追いかけますが、それぞれにそのネコたちをかまう人間がいます。えさをあげたり、なでてあげたりはするけど、飼ったりはしない距離感が絶妙で、一匹一匹個性的なネコの流儀もおもしろいけど(おなかが減ると、カフェの中には入らないけど窓をガジガジするネコとか、完全に夫ネコを尻に敷いてて住人から〝となりのサイコパス〟と呼ばれてるボスネコとか)、見守る人間たちもそれぞれのネコ観があり、それがまたうんちく深いです。「犬は人間を神様だと思ってる。ネコは神の存在を知っている。人間はネコが神の遣いだと思ってる」(だったかな)とかね。もうすぐ一帯に大きなビルが建つ予定で、人間よりネコたちを心配する人もいました。どんな人も、ネコを見守る目の優しいことと言ったら。

監督さん
カメラはネコの目線と同じ高さで映すので、必然的に道ばたのゴミとかが結構目立ちます。人々もなんだかみすぼらしい格好で、「身だしなみ? なにそれ」って感じです。そのうちネコよりゴミの方が気になってきちゃって、日本人ていつの間にか潔癖すぎる民族になっちゃったんだなあ、と変な感慨を抱きました。だって、これが日本人が撮った映画ならば、きっと汚らしい場所は撮らないか、ゴミを片づけてから撮ると思うのです。でも監督さん(これがデビュー作のCeyda Torunというイスタンブール生まれの女性)は、そんなことはまったく頓着せず、つまりそれが当たり前だと思っているわけですよね。きっと、道ばたのゴミが気になる観客がいるなんて、考えもしないのではないでしょうか。

潔癖症日本人の私としては、人間はあまり出てこないで、ひたすらネコたちを美しい映像で追いかける「世界ネコ歩き」の方が、ネコだけに集中できて性に合っています。でもDVDが出たらきっとまたもう一回観ちゃうでしょう。

ちょうどこの頃「インフェルノ」をオーディオで聞いていたのですが、クライマックスの舞台がイスタンブールでした。映画版も観てみよう。ネコは映るかしら。ハリウッド映画だから、絶対道ばたにゴミなんか落ちてなくて、人々もすっきりした身なりをしていることでしょう。

🐱 “Kedi”の一コマみたいな、トルコのニュース番組に迷い込んだ野良猫のお話
「座り心地良さそうなPCじゃニャいですかー!」 トルコのニュース番組に猫が乱入 のびのびとくつろぐ

2017年3月22日水曜日

4月8日日本公開!『ぼくと魔法の言葉たち』”Life, Animated”

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今年のアカデミー賞®にもノミネートされたドキュメンタリー映画の必見作『ぼくと魔法の言葉たち』が、いよいよ4月8日、日本でも公開になります(ちなみに受賞したのは"O.J.: Made in America"。O・J・シンプソンについては昨年テレビシリーズも作られたのに、まるでアメリカはOJに取り憑かれているみたい)。

映画の感想については、一年前のアメリカ公開時に書いていますが、DVDが出たのでもう一度観ると、あらためて素晴らしい作品で、笑ったり、じーんとしたり、ハラハラしたりと、ディズニー映画鑑賞中のオーウェンみたいな状態でした。

上のチラシの真ん中で、自分が描いた絵を背にして誇らしそうに腕を組んでいる若者が、オーウェンです。カジモドやジミニー・クリケットなど、ディズニー・アニメーションのなかでも、地味目なキャラクターが描かれているのにお気づきでしょうか。

2017年3月18日土曜日

“My Life as a Zucchini”(Ma vie de Courgette)『ぼくの名前はズッキーニ』

2016年度アカデミー賞長編アニメーションにノミネートされたスイス製作の映画。言語はフランス語。

私は英語吹き替え版で見ました。やさしいダイアログだから楽に聞き取れます。

題名が『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』を連想させるけど、これもやっぱり孤独な少年のちょっとヘビーなお話。

 9才の少年ズッキーニには、立派な本名があるけれど、ママがつけてくれたあだ名で呼ぶように、みんなに求めます。警察官のレイモンドにも、孤児院の先生にも、そこのこどもたちにも。たこ揚げが好きなズッキーニは、のんべの母親が飲み干して部屋中に放り出したビールの空き缶を集めて、2階の自分の部屋でピラミッドを作って遊んでいました。でも怒った母親が2階に上がるはしごから落ちて事故死してしまい(落ちた原因を作ったのはズッキーニ。でも意図的ではない)、天涯孤独に。Chicks(女の子の意味だけど、ズッキーニはひよこだと思っている)が好きな父親は、とっくに家族を捨てていました。事情聴取をした私服警官のレイモンドに連れられ、ズッキーニは孤児院へ。ところでレイモンドは車で送って行く途中、「たこ揚げしていいよ」と言ってくれる優しいおじさんでした。
 孤児院ではみんなと共同の寝室で、さっそくいじめっ子サイモンの洗礼を受けたりするけど、舎監の先生は就寝時に優しくキスしてくれるし、歴史の先生は面白いし、サイモンもあることをきっかけにうちあけ話をする仲になり、レイモンドもときどき様子を見に来てくれます。さらに、新入りのカミーユという女の子とも仲良くなって、ズッキーニはすっかりここの生活が好きになります。ところが、カミーユのいじわるおばさんが、補助金目当てに彼女を引き取りたいと言い出して……。

2017年3月1日水曜日

"Great Wall"『グレートウォール』

マット・デイモン主演、チャン・イーモウ監督作。

アメリカでは大コケ視されていますが、公開1週目の日曜日に観に行ったら、まあまあ家族連れが入っていて、デイモンと相棒の掛け合いに受けていたし、そんなに悪くないと思います。中国では大ヒットしたらしいしね。日本では4月公開予定。

私も期待したより、普通に気楽に楽しめました。陰惨すぎも、脳天気すぎもせずに、ちょうどいいアクション大作。

デイモンたちが戦うクリーチャー、饕餮(とうてつ)の額が青銅器みたいなデザインなのと、太鼓のばちがヌンチャクなところが良かったです😊

ヒロインの中国人女優さんは、同じくライオンズ・ゲート作品の『キングコング 髑髏島の巨神』にも生物学者役で出ています。

2017年2月26日日曜日

“Get Out”『ゲット・アウト(原題)』

若いカップル、クリスとローズが週末、ローズの家へ行くことに。はじめてローズの家族に会うクリスは、黒人の自分が白人の娘の恋人であることを知って、彼らがどんな反応を示すか不安だった。だが外科医の父親と精神科医の母親(キャスリーン・キーナン)は人種にはまったくこだわらず、優雅な隠居生活を送る裕福な隣人たちも暖かく迎える。ところが、何か妙な空気が流れていることに、クリスは気づかざるを得ず……。

〝キー&ピール〟という黒人コンビの人気コメディアン、ジョーダン・ピールの監督デビュー作。〝ピールはKeanu(キアヌ)〟という映画の脚本を書いて、コンビのキーと主演したりもしています。ちなみにキアヌは盗まれちゃったネコの名前。

ジャンルとしては、ミステリー/スリラー/ホラー/コメディだそうです。

Rotten Tomatoesでは100%ポジティブで、100人以上の評価で100%ポジティブを獲得した初めての映画らしいです(←ツイッターで流し読みしたのでうろ覚え。ホラー映画としてはだったかな?)。

ワイドショーにピールが出たとき、「コメディとホラーは、タイミングがすべてというところが共通しているんだ」と言ったコメントを聞いて、期待が持てそうだな、と思い、公開初日に観に行きましたが、自分には苦手なタイプの演出でした。

どのへんが評価されているのかRottenをざっと読んでみたけど、今までにない切り口が新鮮だそうで、それは人種偏見を逆手にとってホラーに仕上げた手法を指すようです。
もしやと思って、Rotten Tomatoesに載ってる評者の顔写真を全部見てみたけど、100人超中黒人はふたり。映画評論の世界も、白人男性が絶対優位です。White guiltが作用しての高評価といってはうがち過ぎでしょうか。

エンドクレジットを観ていたら、電通&フジテレビの名前が。どう関わっているんだろう??

映画館を出たあと、見かけた人たちがなんだかうろんに映って見えたので、なんだかんだで影響力強いのかも😅

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先日イライジャ・ウッド(ホラー映画好き。自分で製作会社を立ち上げているほど)がトークショーでこの映画をexceptionalとべた褒めしていました。白人ばかりの観客が、白人が黒人に殺される場面で大喜びしてるのがおもしろかったようです。やっぱり?

私はその後、"Keanu"を見たけれど、"Get Out"と同じ理由でちょっとダメでした。

“Red Turtle”『レッドタートル』

 こちらもオスカー候補作。

ワンコが一匹、観に来ていました、おじいさんに連れられて……。

カニさんがかわいかったです。

デトックスを受けたあとの気分ってこんなでしょうかね?

これがオスカー撮ったら痛快ですね。いや、『クボ』が一押しなんだけれども、たぶん『ズートピア』には勝てないだろうから……。

“Oscar Nominated Short Films 2017:” 『2017年オスカー短編映画賞ノミネート作品集』

アカデミー賞短編賞にノミネートされた作品を上映する毎年恒例のプログラム。

Animation部門
“Borrowed Time” (USA)
“Pearl” (USA)
Piper” (USA)『ひな鳥の冒険』
“Blind Vaysha” (Canada)
Pear Cider and Cigarettes” (Canada/UK)

他、honorary mention作品を3本上映

今年は『ひな鳥の冒険』以外、どれもピンと来ませんでした。Piperはミユビシギのことで、サンタクルーズの海岸にもいて、映画の通りに集団で波打ち際でちょこちょこえさ探しをしたり、砂浜でのんびり憩っています。気がつかずに近づくと、とことことこって逃げていきます。

あとは、題名忘れちゃったんですが、honorary mention作の、おばあさんがもげた頭を抱えて列車に乗って海に行く作品が良かったです。あれは健忘症を表現しているんでしょうけども。題名忘れている自分も危ない💦

(見つけました。"Une tête disparaît"っていう作品だ)

Pear Cider and Cigarettes” が評価が高く、これか『ひな鳥』が採るでしょう。"“Pear Cider"はクリエイターの実体験がもとになり、中国が舞台のひとつなんですが、ネオンサインがカタカナ混じりの日本語だったのが頭痛いです。

Live Action部門
Sing”『合唱』 (Hungary)
Silent Nights” (Denmark)
Timecode” (Spain)
“Ennemis Interieurs” (France)
La Femme et le TGV” (Switzerland)

こちらはフランス国籍を申請したアルジェリア人が警察署で尋問を受ける陰鬱な“Ennemis Interieurs”以外、全部おもしろかったです。“Ennemis”は陰鬱を極めた末に、なんのカタルシスも与えず、観客いびりのような映画。げっそり。

歌好きの転校生の女の子が合唱隊に入り、親友もできるのだが、コンクール連勝を目指す先生からとある指示を受け……という“Sing”『合唱』は、小学生時分の気持ちを初々しく思い出させてくれる佳作。“Silent Nights”はアフリカから職を探しにやってきた黒人ホームレスとボランティアで彼らを世話する女性の、容赦ない現実が次々に降りかかる切ないラブストーリー。“Timecode”は昼夜をそれぞれ担当する駐車場の警備員の、監視カメラを通したちょっとしたコミュニケーションを描くアイディア勝負の軽い作品。最後のオチに「プッ」っと吹き出すかどうかで評価がわかれそう。“La Femme et le TGV”は、線路脇に住み、毎朝定刻に通るTGVに旗を振って見送るのを楽しみにしている老女のお話。確か、実話に基づいている。老女役の女優さんに独特の存在感があるな、と思ったらジェーン・バーキンでした。若い時分から脂身のない人でしたが……。

『合唱』も良かったけれど、もう一度観たいと強く思わせる作品は“La Femme et le TGV”。多分これがオスカーを取るのでは。

☆このサイトで各作品のトレイラーが観られます。
ドキュメンタリー部門は、サンタクルーズではやりませんでした。アニメーションは7ドル、実写は8ドル。以前はどちらかの半券を見せると、おまけしてくれたんだけどな。