2017年1月11日水曜日

“La La Land”『ラ・ラ・ランド』

セッション』のデミアン・チャゼル監督によるミュージカル作品(!)

LAを舞台にしたミュージカルで、公開前(10月末か11月ぐらいだったかな)から大変評判が高かった本作。仕事が一段落ついてやっと観に行ったのは、ゴールデングローブ賞7冠の翌日、ベイエリア各地が十年来の豪雨に見舞われ、サンタクルーズ周辺の幹線道路が土砂崩れや倒木で通行止めになっている1月9日月曜日。予想通り、ほかに行くところのない高齢者の方々で、映画館は普段より混んでいました。


冒頭、“シネマスコープ”と文字がでーんと出て、スクリーンがするすると左右に伸び、ひどい交通渋滞の高架道路でみんなが踊り出します。衣装は赤、黄色、青の原色を使い、ミュージカル全盛時代の50〜60年代風のデザインで、シネスコープに加えて〝総天然色〟なオープニングナンバーではじまります。そのあとすぐ、時代は現代のLAになるのですが、それでも衣装のテイストはそのままで、観る前はてっきり5、60年代が舞台の作品だと思っていたのでちょっと面食らいました。LAはいちいち春夏秋冬を字幕に出してもらわないとわからないぐらい季節感のない土地ですが(このお話は冬にはじまり、冬に終わります)、ハリウッドはそれに加えて、タイムレスな場所なんだと言わんばかりでした。

最初のうちは、乗れませんでした。どういうところが高評価のポイントなのかみてやろうと楽しみにしていたのですが、やっぱりミュージカルがダメな人種なのかな、評価が高いのはハリウッドの人たちが大好きな身内ネタ(ヒロインは映画撮影所内のカフェで働く女優志願の女性ミア〔エマ・ストーン〕。タイトルのLaLos Angelsに引っかけている)だからか、とがっかりしかけていたら、主人公の仕事にあぶれたジャズ・ピアニスト、セバスチャン(ライアン・ゴスリング)がミアにジャズ愛を語るところから、映画が俄然、熱を帯びて、目に見えて生き生きしてきます。あとは最後まで、「カイロの紫のばら」のミア・ファローのように、夢見心地で映画に浸れます。

LAが舞台だから、映画を観たあとすぐにロケ地に行けちゃって便利です。『理由なき反抗』を観た主役ふたりが、グリフィス天文台に行ったりね。そういえば、あそこへ行ったことはあるけれど、中は入ったことなかったかな。館内はあんなにすてきだったのか。

ミュージカルもだけど、要所要所にチャーミングというか、かわいい映画的仕掛けがほどこされているところが、目立ってそうと意識しなくても映画ファンの心をくすぐるんじゃないでしょうか。遠方への移動を表現するのに、味気ないCGじゃなくて、ミニチュアの地球儀と飛行機を使うところとかね。

とてもよかったです。監督は、ジャズを本当に愛しているんだなあというのがよっくわかります。そこが、心配なところでもありました。ジャズが題材じゃない映画を、この監督は撮れるのかしら。あともうひとつ、この監督さんは役者を120%信頼しているのもよくわかりました。たとえば『ベストセラー 編集者パーキンスに捧ぐ』とは正反対に。ミアがオーディションでパリの歌を歌うところの、エマ・ストーンのアップがとにかく素晴らしかった。

この映画を観ると、『セッション』が恋愛映画に思えてきます。(ジーン・シモンズがちょい役で出て来てうれしい)

エンドクレジットを観ていると、歌のリストに” Japanese folk song”っていうのがあったのですが、気がつかなかった。どこで使っていたのかな。子ども部屋の小道具にこいのぼりが使われているのは気がついたんですが。あとミアがパーティバンドに(セバスチャンへの嫌がらせに)”I Ran”をリクエストするのが面白かったです。(^_^)

映画館の外は荒れ模様でしたが、頭の中は”City of Stars”が鳴りっぱなしです。☆

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