2017年2月26日日曜日

“Get Out”『ゲット・アウト(原題)』

若いカップル、クリスとローズが週末、ローズの家へ行くことに。はじめてローズの家族に会うクリスは、黒人の自分が白人の娘の恋人であることを知って、彼らがどんな反応を示すか不安だった。だが外科医の父親と精神科医の母親(キャスリーン・キーナン)は人種にはまったくこだわらず、優雅な隠居生活を送る裕福な隣人たちも暖かく迎える。ところが、何か妙な空気が流れていることに、クリスは気づかざるを得ず……。

〝キー&ピール〟という黒人コンビの人気コメディアン、ジョーダン・ピールの監督デビュー作。〝ピールはKeanu(キアヌ)〟という映画の脚本を書いて、コンビのキーと主演したりもしています。ちなみにキアヌは盗まれちゃったネコの名前。

ジャンルとしては、ミステリー/スリラー/ホラー/コメディだそうです。

Rotten Tomatoesでは100%ポジティブで、100人以上の評価で100%ポジティブを獲得した初めての映画らしいです(←ツイッターで流し読みしたのでうろ覚え。ホラー映画としてはだったかな?)。

ワイドショーにピールが出たとき、「コメディとホラーは、タイミングがすべてというところが共通しているんだ」と言ったコメントを聞いて、期待が持てそうだな、と思い、公開初日に観に行きましたが、自分には苦手なタイプの演出でした。

どのへんが評価されているのかRottenをざっと読んでみたけど、今までにない切り口が新鮮だそうで、それは人種偏見を逆手にとってホラーに仕上げた手法を指すようです。
もしやと思って、Rotten Tomatoesに載ってる評者の顔写真を全部見てみたけど、100人超中黒人はふたり。映画評論の世界も、白人男性が絶対優位です。White guiltが作用しての高評価といってはうがち過ぎでしょうか。

エンドクレジットを観ていたら、電通&フジテレビの名前が。どう関わっているんだろう??

映画館を出たあと、見かけた人たちがなんだかうろんに映って見えたので、なんだかんだで影響力強いのかも😅

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先日イライジャ・ウッド(ホラー映画好き。自分で製作会社を立ち上げているほど)がトークショーでこの映画をexceptionalとべた褒めしていました。白人ばかりの観客が、白人が黒人に殺される場面で大喜びしてるのがおもしろかったようです。やっぱり?

私はその後、"Keanu"を見たけれど、"Get Out"と同じ理由でちょっとダメでした。

“Red Turtle”『レッドタートル』

 こちらもオスカー候補作。

ワンコが一匹、観に来ていました、おじいさんに連れられて……。

カニさんがかわいかったです。

デトックスを受けたあとの気分ってこんなでしょうかね?

これがオスカー撮ったら痛快ですね。いや、『クボ』が一押しなんだけれども、たぶん『ズートピア』には勝てないだろうから……。

“Oscar Nominated Short Films 2017:” 『2017年オスカー短編映画賞ノミネート作品集』

アカデミー賞短編賞にノミネートされた作品を上映する毎年恒例のプログラム。

Animation部門
“Borrowed Time” (USA)
“Pearl” (USA)
Piper” (USA)『ひな鳥の冒険』
“Blind Vaysha” (Canada)
Pear Cider and Cigarettes” (Canada/UK)

他、honorary mention作品を3本上映

今年は『ひな鳥の冒険』以外、どれもピンと来ませんでした。Piperはミユビシギのことで、サンタクルーズの海岸にもいて、映画の通りに集団で波打ち際でちょこちょこえさ探しをしたり、砂浜でのんびり憩っています。気がつかずに近づくと、とことことこって逃げていきます。

あとは、題名忘れちゃったんですが、honorary mention作の、おばあさんがもげた頭を抱えて列車に乗って海に行く作品が良かったです。あれは健忘症を表現しているんでしょうけども。題名忘れている自分も危ない💦

(見つけました。"Une tête disparaît"っていう作品だ)

Pear Cider and Cigarettes” が評価が高く、これか『ひな鳥』が採るでしょう。"“Pear Cider"はクリエイターの実体験がもとになり、中国が舞台のひとつなんですが、ネオンサインがカタカナ混じりの日本語だったのが頭痛いです。

Live Action部門
Sing”『合唱』 (Hungary)
Silent Nights” (Denmark)
Timecode” (Spain)
“Ennemis Interieurs” (France)
La Femme et le TGV” (Switzerland)

こちらはフランス国籍を申請したアルジェリア人が警察署で尋問を受ける陰鬱な“Ennemis Interieurs”以外、全部おもしろかったです。“Ennemis”は陰鬱を極めた末に、なんのカタルシスも与えず、観客いびりのような映画。げっそり。

歌好きの転校生の女の子が合唱隊に入り、親友もできるのだが、コンクール連勝を目指す先生からとある指示を受け……という“Sing”『合唱』は、小学生時分の気持ちを初々しく思い出させてくれる佳作。“Silent Nights”はアフリカから職を探しにやってきた黒人ホームレスとボランティアで彼らを世話する女性の、容赦ない現実が次々に降りかかる切ないラブストーリー。“Timecode”は昼夜をそれぞれ担当する駐車場の警備員の、監視カメラを通したちょっとしたコミュニケーションを描くアイディア勝負の軽い作品。最後のオチに「プッ」っと吹き出すかどうかで評価がわかれそう。“La Femme et le TGV”は、線路脇に住み、毎朝定刻に通るTGVに旗を振って見送るのを楽しみにしている老女のお話。確か、実話に基づいている。老女役の女優さんに独特の存在感があるな、と思ったらジェーン・バーキンでした。若い時分から脂身のない人でしたが……。

『合唱』も良かったけれど、もう一度観たいと強く思わせる作品は“La Femme et le TGV”。多分これがオスカーを取るのでは。

☆このサイトで各作品のトレイラーが観られます。
ドキュメンタリー部門は、サンタクルーズではやりませんでした。アニメーションは7ドル、実写は8ドル。以前はどちらかの半券を見せると、おまけしてくれたんだけどな。