2018年1月10日水曜日

"I, Tonya"『アイ、トーニャ』

"I, Tonya"
『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』
1/5/18  @Del Mar封切り日。雨ふり
⭐️⭐️⭐️⭐️

プリミティブな感情に訴え、いろいろ考えさせられました。

観た日は全米フィギュアの真っ最中で、女子のショートが終わって、この日の晩にフリーの試合があったため、なんだかトーニャも出場選手のひとりみたいな錯覚がしました。サンノゼで行われた今年の全米では、ミライ・ナガスが果敢にトリプルアクセルに挑戦し、そのため解説で、これまで公式試合でトリプルアクセルに成功した人物として、トーニャの名前が出ていました。

ある意味ではアメリカそのものを体現していたのに、Beautifulなアメリカしか認めない祖国から否定されたトーニャ(ケリガン事件以前の数々の国内試合で、ジャッジたちにはっきりと)。おのずと、トランプを支持する底辺層の人たちのことを考えてしまう。アメリカで何年も暮らしてないと、関連性がわからなくてあまりピンとこないかもしれないけれど、制作者ももちろんそういう同時代性、社会構造を頭の隅に置いて作っている。

トーニャの母親はインタビューのシーンで肩に鳥をとまらせており(「私の5番目の夫、いちばんましよ」。当時のメディアインタビューの際、実際にやったらしい)、7日に行われたゴールデン・グローブ賞で、役を演じたアリソン・ジャニーが鳥の飾りを肩につけて登場していました。😄 鳥は3羽ほどオーディションして、ジャニーの肩でいちばんじっとしていたのを採用したそうです。

トーニャの訓練方法がすごくて、スケーターというより忍者の修行みたいでした。💦 その場面ではコーチ役の人がカメラに振り返り、「ほんとうにやったのよ」と念を押していた。
トーニャの少女時代に登場する父親、ティモシー・ハットンかと思ったが違う俳優らしい。似てたけど。
トーニャの野暮なメイクを施したマーゴットは老けて見え、逸材アスリートだったトーニャを演じるには無理がある印象だが、演技でそんな悪印象をねじふせた。

⛸️ トーニャとマーゴットの対談
トーニャもサバイバーだった。

⛸️ 記事1記事2
トーニャのママを"地獄から来たステージママ”だって。😅
マーゴット・ロビーはナンシー・ケリガン事件が起きたときは幼児だったためまったく知らず、脚本を読んだときフィクションだと思ったという。
ロビーの飼い犬の名前はブー・ラドリー(「アラバマ物語」の)
クリップの中でしゃべるトーニャを聞いて、「映画のトーニャのしゃべり方だ!」と思った。マーゴットは完コピしていた。
ロビーは5ヶ月間、週に5日、1日4時間スケートの練習をした。だがジャンプ場面はスタントが演じ、トリプルアクセルはCGI(名前は出していないがおそらくはミライにトリプルアクセルのスタントを打診したらしいが、もちろんオリンピックを控えた彼女には無理な相談)。
トーニャや元夫でケリガン事件首謀者(「アベンジャーズ」でウィンターソルジャーを演じたセバスチャン・スタンが演じる)にインタビューし、脚本を書いたスティーブン・ロジャースは、ロビーの目に宿るintensityは、トーニャがトリプルアクセルについて語ったときと同じで、ロビーなら演じられると思ったという。ロビーはプロデューサーも兼ねている。元夫と立ちあげた製作会社の第一回作品。

ハーディングは1月末、ロックフェラー・センターのエキシビションで滑る予定。

⛸️ NY Timesによるトーニャインタビュー

トーニャはぜんそく持ちだったのね。ぜんそく持ちのスケーターって結構多い。
映画のメイキングクリップ付きで、監督がスケート場面の撮影の解説をしている。カメラマンはスケーティングしながらリンクで演技をするマーゴットを撮影し、躍動感あふれるスケート場面を演出した。

⛸️トークショー"Ellen"に出演したトーニャ・ハーディング

母親ら身近な者から「デブ」とか「下手」とか罵られっぱなしで、どうしてあんなに滑りつづけられたのだろうと不思議だったが、「違う、自分はできる」って見返してやろうと思ったからだそうです。😲

⛸️ リレハンメルオリンピックのトーニャのLP演技:
その1 靴紐のアクシデント。ぜんそく用の薬を吸引しているのがわかる。
その2 仕切り直しての演技。トーニャは『ジュラシック・パーク』の曲で滑った。

[自分用メモ]
トーニャのコーチのスタンスが、ティリーのコーチを思わせる。ダイレクトな愛情をくれない母親という点でも似ている。また、スケーターに求められる身なりに反発を覚えたという点でも。ふたりを隔てているのは、スケートというオプションがなくなったとき、ほかにオプションがあったかなかったか(ティリーにとっては天職を見つけるまでの通過点となった、結果的に)。それもまた環境ゆえに。

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