2018年11月28日水曜日

"Ralph Breaks the Internet"『シュガー・ラッシュ:オンライン』

⭐️⭐️

シュガー・ラッシュ』の続編です。前作は2012年の作品。え、そんなに前なの? まだ記憶に新しいぐらい、楽しい作品でしたが、続編はどうでしょうか。

アーケードゲームのキャラクター、ヴェネロペとラルフは、大の親友同士として毎日ゲーム世界を楽しく過ごしていた。『トロン』のバイクレースに興じたり、ルートビールを飲んだり(うらやましい)。だが、現実世界のゲームセンターではヴェネロペのゲーム、〈シュガー・ラッシュ〉のハンドル型コントローラーが故障し、文字通りプラグを抜かれてしまう。ラルフとヴェネロペは、店のおやじがティアドロップ型iMacG3(ネット世界の描写を見ると今の時代の設定らしいから、すごくものもちのいい店主という演出?)で繋いだばかりのインターネットに侵入し、eBayのオークションで競り勝ってハンドルを手に入れる。だが、お金なんてもちろん1セントも持っていない。24時間以内に払わないと、権利をとりあげられてしまう。どうする、ラルフ?

評価は良いです。「コンピュータープログラムの内部世界を描いた作品では『マトリックス』以来の出来」なんて書いてる評もあります。

楽しかったし、ラルフとヴェネロペの友情にほろりとするし、インターネットのしくみを想像力豊かに仮想世界化し、楽しい面ばかりじゃなくて危険性やネガティブな一面もちゃんとストーリーに無理なく入れこんでいるし、アニメーションも豪華(ディズニー映画だから自分たちの作品である『スターウォーズ』からプリンセスたちまで使い放題!)で堪能しました。

でも、別のレビューでも言っているように、わたしは"mixed feeling"(複雑な気持ち)を抱いて、映画館を出ました。

ひとことでいうと、新しいところが何もなかった。
キャラクターはいろんなデザインがうまく共存してあって見事だけど、メインは『インサイド・アウト』にコンセプトが似ているし、テーマは『もののけ姫』(主人公2人の決着のつけかた)から文明批判の部分だけ抜いて、反転して礼賛したようだし、ラルフがウィルス化する圧巻のアニメーションはルックスはたたり神、中身は顔ナシでした。

何より、冒頭に映画のクリエイター3人が実写で出てきて、Facetimeみたいなアプリでやりとりしている体の分割画面で、「この映画では僕たちがインターネットの好きなところをいっぱい詰めこんだよ」みたいなことをいうのですが、そういう演出をした狙いがわからなくて、本編の間中彼らの顔がちらつくのが困りものでした。ほんとになんで?

あと価値観にうなずけなかったのも、いまいち乗れなかった理由かな。

いろんな架空アプリのアイコンを並べたエンドクレジットが楽しいです。おこりんぼのタコがかわいかった。

あれ、そういえばこの作品の上映には短編がつかなかったな。

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コーヒー忘れて、また寝かけてしまった。カラフルで楽しい画面で目が覚めて、助かりました。

2018年11月26日月曜日

"First Man" & "Incredibles 2"

書き忘れてた映画2本。まだなんとかMoviePassで観れた頃。

"First Man"『ファースト・マン』
⭐️
各レビューの評価はとても高いです。

羊の所には居眠り運転で着陸失敗。

"Incredibles 2" 『インクレディブル・ファミリー』
⭐️⭐️⭐️1/2
続編も良かったです。


2018年11月23日金曜日

"Green Book"『グリーン・ブック』

⭐️⭐️⭐️⭐️

9月に開催されたトロント映画祭で観客賞を受賞し、公開が待ち望まれた1本です。

1962年、音楽の博士号を持つ黒人ピアニストのドン・シャーリー(『ムーンライト』のマハーシャラ・アリ)が、用心棒兼運転手として、ナイトクラブの用心棒をしていたイタリア系のトニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)を雇い、ディープ・サウスに2ヶ月のコンサートツアーに出る。

題名の"Green Book"は、まだジム・クロウ法と呼ばれる人種差別政策が施行されていたこの時代、黒人が泊まれるモーテルを掲載した小冊子のこと。演奏旅行の先々で、立派な会場やリッチな人々の私邸で演奏し称賛される一方、ドンが泊まる宿は黒人専用のみすぼらしい安モーテル。トニーにはもちろん別の宿が用意されている。

2018年11月13日火曜日

"Bohemian Rhapsody"『ボヘミアン・ラプソディ』

⭐️⭐️⭐️
良かったです。

レビューは良くなくて、特に最初、まだ2,3本しかレビューがなかった頃は本当にひどくて、これはコケるかな、と思ったら、オーディエンスには熱く支持されましたね。

フレディをDIVAではなく、MUSEとして描いたのが、支持された理由じゃないかな。

フレディその人よりも、クイーンの音楽を愛する人向け、より万人向けに作ってありましたね。わたしも、クイーンはあまりよく知らなくて、ただ曲が好きな(『ハイランダー』のサントラがものごっつう好き)ゆるい一般人だから。ソロ活動しようとしていたことさえ知らなかったです。自転車の歌は、ソロで出した曲なの? 猫好きだったんですねー。
フレディに思い入れある人ほど、内容を不満に思うのでしょうか。

最初のフレディ役候補だったサシャ・バロン・コーエンだったら、こうは行かなかったでしょね。風貌はぴったりだったけど。

ブライアン・メイが、賢くて出来た人間に描かれていたのは、本人が関わっていたから?
でも本当に、賢くて出来た人なんだよね。わたしの訳した実話もの『ハッチ・アンド・リトルB』にも動物愛護運動家として登場するよ。難病と闘うけなげなリトルB少年に、アナグマ擁護のステッカーをあげるの。

フレディの後の恋人になるウェイターとの会話で、フレディが「制服が似合うヤツが好きだ」みたいなことをいうと、相手が「おれもだ(So do I)」っていうところで、隣に座ってたおばあさんが、"So do I"って映画の中の人より先に言ったらそのあと同じ返事をしてたので、「あらあ、おほほ」って受けてました。

ボブ・ゲルドフ、しばらく本物だと思って観ていた。
ライブエイドのシーンは盛りあがったなあ。あの頃ブリティッシュロックにはまっていたからね。ポリス一筋だったけど。

トリビア: ラミ・マレックには双子のほぼそっくりな兄弟がいる。

とうとうRegal系列はMoviePassがまったく使えなくなってしまった。

"The Happy Prince" 『さすらいの人 オスカー・ワイルド』


⭐️⭐️⭐️⭐️

『アナザー・カントリー』のルパート・エヴェレット脚本・監督によるオスカー・ワイルドの伝記。

エヴェレット、ゲイのために役がつかなくて苦労していたのですね。知らなかった。
なにせ、『アナザー・カントリー』当時は地味なコリン・ファースなんかより全然人気があったから、敵視していたのだ。(ヒュー・グランドも敵)

で、役がもらえないなら自分で作ろうと、作ったのがこの映画(本人はそう書いているけど、本当はどうしても作りたかった)。
ワイルドの伝記映画は過去に3作ほどあり、どれも良いけど、投獄後の彼にスポットを当てたものがなかった。でもそこを描きたかったそうです。わたしは、スティーヴン・フライがオスカーで、ジュード・ロウがボウジー役だったやつ(『オスカー・ワイルド』)なら観たので、わたしのオスカー像はスティーヴン・フライです。オスカーの妻がジェニファー・イールなんだよね。

敵だけど、コリンが出ているから(エヴェレットはコリンに大感謝している。彼が出てくれたから、資金を確保できたと)、観に行きました。上映最終日になんとか時間を作れて良かった。

コリンとエヴァレット


すごく心にしみました。
俳優さんが小器用に作ったというんじゃなくて、ホントに良かったです。ええと、対象への愛はもちろん、映画作りへのアプローチも、共感できるものだったから、すごくいいと思ったのかな。

窓の外から聞こえる人の話し声とか、自然の音とかの使い方が好きでした。
自然光も。
あと音楽もいいなー、と思ったら、ガブリエル・ヤレドでヤレうれし。

子どもを思う父親としてのオスカーのシーンで、なんでこんなに涙がボロボロ出るのかなあ、と思ったら、父親を亡くしたばかりだった(現実逃避派)。

オスカーの唯一の孫で、作家のマーリン・ホランドは、いたく心を動かされたそうです。
The Guardianの記事

もうすぐ、翻訳した『幻の傑作映画たち』という、映画化しそこなった企画を集めた本が出ますが、オーソン・ウェルズは自伝映画で若い頃の自分を超絶美形だったルパート・エヴェレットに演じさせたがったのが笑えました。ぷぷ。(ごめん)

ハロウィーンの翌日に観に行ったので、まだ映画館がハロウィーン仕様。
最初、てるてる坊主だーと思った。そんなわけないだろ、と気がついたのは数分後。年取ると頭が鈍って嫌ですね。


11.01.18 with MoviePass

"The Wife"『天才作家の妻 40年目の真実』

⭐️⭐️⭐️

グレン・クローズが、ノーベル文学賞を受賞した夫(ジョナサン・プライス)を長年支えて来た妻役を演じます。
メグ ウォリッツァーの"The Wife: A Novel"を、ビョルン・ルンゲが監督。
映画は就寝していた夫妻が、夫のノーベル賞受賞の電話を受ける場面で始まります。
子どものように、ベッドで飛び跳ねて喜ぶ夫妻。
内輪の祝賀パーティ、授賞式に向けた準備、そして授賞式……。
華やかな進行と並行して、作家志望だった妻の人生が綴られて行きます。

評価は高いけれど、1件「この映画のすべてが嘘くさくて何一つ信憑性がない」としているのがありました。

クリスチャン・スレイターが、妻にまとわりつく伝記作家を演じて、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』を彷彿させる役を、当時と変わらぬボーイッシュさで演じていました。

評判いいけど、ヘビィそうだから観ようか微妙でしたが、MoviePassで観られるのがもうこれくらいしかなくなっちゃって。

どうして妻が、夫のスピーチに怒ったか。
わかる人と、わからない人が出てくると思う。単純に、経験の差で。

映画を観た直後、こんな記事が。
表層は、まさにこれでした。
「ノーベル賞に内助の功 強調するメディアに「違和感」も」

10.15.2018 with MoviePass